(株)矢野経済研究所は9日、国内のZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)市場およびそれを実現する建築設備市場の調査結果を公表した。
2014年4~6月の期間、設計事務所、ゼネコン、設備機器・ビルシステムメーカー等を対象に、面談、電話・e-mailにヒアリングならびに文献調査を併用して行ない、当該年度に竣工するZEB(ZEB+nearly ZEB)の建築費や建築設備費、その他費用を対象に算出したもの。
経済産業省、国土交通省、環境省は2010年6月「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」を共同で設置し、住宅・建築物における省エネ・省CO2対策の取り組みについて検討。20年度に新築公共建築物等でZEBを実現、30年度に新築建築物の平均でZEBとする目標を掲げている。そのため、国の補助金制度も創設され、国内の建築業界各社は目標に向け、技術開発、実証試験、モデルビルの建築等を推進している。これらの背景も踏まえ、調査結果では、国内のZEB市場は15年度に立ち上がり、竣工ベースの市場規模は15年度の179億円から、30年度には7,059億円に拡大すると予測した。
また、ビルの省エネ・ZEB化について、今後、LED照明システム、タスク&アンビエント方式、潜熱・顕熱分離空調システム等の建設設備の採用が進むことにより大幅な省エネが図られるとし、30年度における7,059億円のうち、建築設備は2,643億円(37.4%)を占めると予測している。