不動産ニュース / 調査・統計データ

2015/12/16

オフィスは、空室率低下・賃料上昇トレンド続く。18年末頃にピークとの見方も/CBRE

 シービーアールイー(株)(CBRE)は15日、特別レポート「Japan Market Outlook 2016」を発表した。オフィスマーケット、物流施設マーケット(首都圏)、不動産投資マーケットについて、15年の総括から17年までの見通しをまとめたもの。

 オフィスマーケットは、14年に引き続き15年も業容拡大のためのオフィス増床、オフィス立地の改善などの前向きな移転動機が需要を牽引。16年もこの傾向は続くと予想している。

 東京のグレードA空室率は15年末時点で3.9%(前年比0.2ポイント減)となる見込み。16年は約13万9,000坪の新規供給が予想されていることから、一時的に、現状より空室率が高くなることが予想されるものの、立地改善や拡張移転などによる空室消化が進展。空室率は16年3.6%、17年3.1%にまで低下すると予測した。
 15年末のグレードA賃料は坪3万4,650円(同7.6%増)となる見込み。17
年かけて15年末比でさらに9%上昇するとの予想を示した。

 大阪のオフィスマーケットも好調。13年第1四半期に18.2%にまで上昇した空室率も、15年には5%を下回った。15年末時点のグレードA空室率は4.0%(4.1ポイント減)となる見込み。15年以降、他のグレードのビルからグレードAへのアップグレード移転が増えていること、16年には新規供給がなく17年も2万坪ほどと供給が少ない見込みであることから、16年から17年にかけては2%台にまで低下すると予測した。
 グレードAの成約賃料は、15年は前年比5.4%上昇したが、今後2年間で15年末に対してさらに7%の上昇予想。
 札幌、広島、福岡の空室率も観測開始以来の空室率最低値を更新、賃料についても上昇が続いており、今後上昇ペースが加速する可能性も示唆した。
 
 しかし、市況サイクルのピークも近づいているとの見方も示しており、18年末頃に賃料はピークに、その後緩やかな下落トレンドに転じると予想している。

 首都圏物流マーケットは、15年に過去最高となる年間29万坪を超える新規供給があった。3PLの業容拡大、eコマースの持続的な成長に支えられ、需要は引き続き活発な模様。15年第3四半期の大型マルチテナント物流施設の空室率は3.5%と空室少ない状況が続いている。16年は36万坪、17年もすでに27万坪の計画が浮上しており、17年第4四半期にかけて空室率は6.3%に上昇すると予測した。
 エリア別では、都心に近い「東京ベイエリア」では、17年後半の再開発案件の竣工で短期的には空室率が10%ほどに上昇するも、実質賃料指数は17年第4四半期で対15年第3四半期比で0.6%程度の上昇にとどまる見通し。「外環道エリア」は空室率1%以下が続き、実質賃料指数は17年第4四半期までに対15年第3四半期比最大6.3%上昇する見込み。「国道16号エリア」は、空室率4~7%のレンジ内で推移、実質賃料指数も2%上昇の予想に。
 一方「圏央道エリア」は、16年に空室率が17%程度まで上昇、期間を通じて10%を上回り、結果として実質賃料数も0.6%の下落を予想している。

 不動産投資場は、15年は東京都心を中心に売却物件が希薄化、投資総額は前年比で20%ほど縮小する見込みであるが、投資家にとって良好な資金調達環境が当分続くと思われることから、16年は15%拡大を見込んでいる。

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