(一財)土地総合研究所は2月29日、「不動産業についてのアンケート調査」結果を公表した。
2015年4月に「不動産流通に関する研究会」を設置する前に、不動産流通市場が健全に機能しているか、機能するための条件を備えているかについて、現状確認を目的に実施したもの。
不動産業況調査対象の不動産流通事業者、ホームナビ会員、都道府県宅地建物取引業協会会員、ERA LIXILネットワーク・リニュアル仲介ネットワーク関連事業者の中から1,000社に郵送で配布・回収した。調査期間は15年1月13日~2月10日で、有効回答数は247。
不動産売買仲介業務の中での一般媒介、専任媒介、専属専任媒介のウエイトについて聞いたところ、最も多い回答は、一般媒介が「1/4未満」(31.6%)、専任媒介が「3/4以上」(22.7%)、専属専任媒介が「ほぼ0%」(45.7%)となり、媒介契約としては専任媒介が多く用いられていることが分かった。
典型的な不動産事業者(従業員数2~5人)についての単純集計では、一般媒介が「1/4未満」(27.0%)、専任媒介が「1/2以上3/4未満」(21.4%)、専属専任媒介が「ほぼ0%」(11.9%)が最多回答に。
仲介の年間成約件数については、売買仲介では「10件以下」が、また賃貸仲介では「50件以下」が過半数を占めた。
うち典型的な不動産事業者については、売買仲介の契約件数が「10件以下」、賃貸仲介では「50件以下」が、それぞれ7割強を占めた。
不動産仲介の実際の手数料額については、83.8%が「宅建業法令に基づく上限基準適用」としていたが、「目安となる基準はあるが実際は状況に応じて低いものを適用」が7.7%、「独自の基準を設けて適用」が2.0%と、法定上限ではない設定をしている不動産会社も10%弱あることが分かった。
うち典型的な不動産事業者では、3%を上回る仲介手数料が多くを占め、「両手仲介」の多さが示唆された。
また、企画料や広告料を名目に、家賃1ヵ月分を上回る賃貸仲介手数料を徴収している事業者も多かった。