(株)学研ココファンホールディングスは3日、「土地オーナーのための20年後も生き残る『価値あるサ高住とは』」を開催した。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の開発が着々と進められる中、郊外型サ高住の増加や赤字を抱えての事業売却事例など、さまざまな問題も露呈してきている。そうした現状を踏まえ、高齢者住宅・介護事業を手掛ける(株)学研ココファンと高齢者住宅の企画・設計・コンサルを行なう(株)シスケアが、自社事業の紹介を中心に、講演を行なった。
最初に登壇した学研ココファン代表取締役の五郎丸 徹氏は、特別養護老人ホームの供給促進からサ高住供給へのかじ取り変更など、高齢者住宅・施設をめぐる政策の動きを解説。
続いて同社上席執行役員の木村祐介氏が、同社がこれまで蓄積した、事業化のポイントや成功の秘訣などについて、講演した。戸数が少なければ介護報酬額の収益率への影響が大きくなり、要介護者の相応の受け入れが必要になるといった話や、生活支援サービス費および喫食率を高く設定しないと利益が確保できないといった、10戸台から200戸台までさまざまな規模のサ高住を運営する同社だからこそ把握する、事業成功のポイントを公開した。
合わせて、「ビジネスモデルと戸数が合っていない」「ソフトに合ったハード設計ができていない」などの失敗する事業計画についても、分かりやすく説明。ハード設計の重要性についても、「事務所やエントランスの配置や設定一つでも、20年間でみると5,000万円ほどの経費の違いが出てくる。それくらい、重要」と力説した。
続いてシスケア取締役の橘 淳一郎氏が、設計の観点からニーズの高いサ高住を解説。これからのサ高住では安心で住みやすい、そして職員の対応が良いものが求められるとした上で、「トイレ内の設備の配置、鍵の位置など、サ高住では非常に細かい配慮が重要となる。入居者の人に使い勝手の良い建物は、介護者にとっても使い勝手が良い。その観点での設計が非常に重要」と述べた。