不動産ニュース / 開発・分譲

2016/3/8

ハード・ソフトで多世代交流を促進。東京・世田谷で分譲マンションとサ高住の複合開発/東急不動産

「世田谷中町プロジェクト」完成予想図。右側から3列が定借マンション「ブランズ世田谷中町」、左側が「グランクレール世田谷中町」。桜の名所だった社宅時代の既存樹を数多く残し、第1種低層住居住居専用地域の環境の良さを引き立たせる
「世田谷中町プロジェクト」完成予想図。右側から3列が定借マンション「ブランズ世田谷中町」、左側が「グランクレール世田谷中町」。桜の名所だった社宅時代の既存樹を数多く残し、第1種低層住居住居専用地域の環境の良さを引き立たせる
モデルルーム。専有面積74平方メートルの3LDKがメイン住戸。施工は(株)長谷工コーポレーション
モデルルーム。専有面積74平方メートルの3LDKがメイン住戸。施工は(株)長谷工コーポレーション

 東急不動産(株)は、「世田谷中町プロジェクト」(東京都世田谷区)として開発を進めてきた転定期借地権付きマンション「ブランズシティ世田谷中町」(総戸数252戸)の販売と、サービス付き高齢者向け住宅「グランクレール世田谷中町」(総戸数251戸)の入居募集を、6月上旬から開始。販売・募集を前に、開発コンセプトのアピールと分譲マンションのモデルを兼ねたサロンを、4月上旬にオープンする。

 同プロジェクトは、東急田園都市線「桜新町」駅および「用賀」駅徒歩15分に立地。広さ約2万平方メートルにおよぶ東日本電信電話(株)社宅跡地の再開発で、同社と72年の定期借地権契約を結び事業を行なう。一般マンションとサービス付き高齢者向け住宅、地域住民も利用可能な「コミュニティプラザ」を併設することで、多世代交流と地域包括ケアの拠点として世代循環型のまちづくりを目指しており、東京都が2014年より開始した、「一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅整備事業」の第1号選定プロジェクトとなる。

 住民・地域間コミュニティの核となる「コミュニティプラザ」は、東急不動産が「用賀」駅前で試験運営しているシニア向けライフサポート「ホームクレール」のプログラムを展開するほか、東京都市大学による多世代交流プログラムも実施。認可保育園、カルチャールーム、介護事業なども設け、両物件の入居者だけでなく、地域住民にも開放する。

 また、「ブランズ」「グランクレール」それぞれの共用施設を、入居者間で相互利用できるほか、親子の近居を促すため、「ブランズ」の親子複数購入、「ブランズ」「グランクレール」の親子同時購入・入居にあたっての割引や、「ブランズ」入居者の「グランクレール」優先入居などを用意する。

 「ブランズシティ世田谷中町」は、鉄筋コンクリート造地上4階地下1階建て6棟で構成。住戸は、3LDK~4LDK、専有面積約70~90平方メートル。販売価格は未定だが、中心住戸となる専有面積74平方メートルの3LDKの地代は、月1万6,000円程度を想定している。竣工は、17年1月下旬・7月下旬を予定。すでに、1,500組の事前反響を得ており、そのうち300件はグランクレールも同時検討している。60歳以上のシェアが2割と多い。

 一方「グランクレール世田谷中町」は、鉄筋コンクリート造地上4階建て。食事や家事の手伝い・健康管理を提供する自立者向けシニアレジデンス(サービス付き高齢者向け住宅)176戸と、要介護者へ対応するケアレジデンス(介護付き有料老人ホーム)75戸を併設。身体状況に応じて、シニアレジデンスからケアレジデンスへの移り住みも可能としている。間取りは、シニアレジデンスが1R、1DK、1LDK、2LDK、ケアレジデンスが1R。シニアレジデンスは、年齢に応じた賃料前払いと、賃料均等払いを選択できる。賃料は未定だが、同ブランド最大戸数のスケールメリットを生かし、同じ世田谷区に立地する「グランクレール馬事公苑」の賃料よりリーズナブルな設定とする予定。開業は17年7月を予定。

 7日会見した、同社執行役員ウェルネス事業本部副本部長の小室明義氏は「その立地に何が必要か、いま社会に何が求められているか、これからの日本に何が必要かを考え、新たな価値創造を行なうことはディベロッパーの使命だ。世田谷中町では、少子高齢化問題、待機児童の増加、地域コミュニティの希薄化という課題を、近居の実現、地域包括ケア体制の整備、認可保育園の整備、多世代交流を生み出すハード・ソフトなどで解決していく」と抱負を述べた。

 なお、同社は横浜市緑区の十日市場エリアでも、分譲マンション(約290戸)とシニア住宅(約200戸)の大規模複合開発を計画している。

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