不動産ニュース

2016/3/22

「平成28年地価公示」、各社・団体トップがコメント

 国土交通省が22日に発表した「平成28年 地価公示」結果について、業界団体・企業のトップから以下のようなコメントが発表された(以下抜粋、順不同)。

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 伊藤 博氏
(一社)不動産協会 理事長 木村惠司氏
(一社)不動産流通経営協会 理事長 田中俊和氏
(公社)全日本不動産協会 理事長 原嶋和利氏
三井不動産(株) 代表取締役社長 菰田正信氏
三菱地所(株) 取締役社長 杉山博孝氏
住友不動産(株) 代表取締役社長 仁島浩順氏
東急不動産(株) 代表取締役社長 植村 仁氏
野村不動産(株)  取締役社長 宮嶋誠一氏
東京建物(株) 代表取締役 社長執行役員 佐久間 一氏


◆(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 伊藤 博氏

 平成27年の全国の地価は、全国の全用途平均で8年ぶりに上昇に転じ、三大都市圏では住宅地が小幅な上昇、商業地は上昇基調を強め、工業地でも三大都市圏で全て上昇となった。

 地方圏をみると、地方中枢都市で三大都市圏を上回る上昇が見られ、地価上昇は三大都市圏から地方の中核都市への波及が進む中、その他地方圏でも全ての用途地域で下落幅の縮小が見られる等、政府の地方創生への期待と着実な進展が感じられる。

 また、平成27年の不動産取引市場においては、雇用環境の改善、前年の消費増税による停滞の反動と住宅ローン減税等の施策、金融緩和の影響などから堅調な推移がみられ、取引件数や価格も上昇した。

 平成28年においても、マイナス金利による史上最低の住宅ローン金利、宅建業法改正等による中古住宅流通に係る諸施策の具体化などを背景に、本会としても、都市圏のみならず地方圏の市場活性化の下支えとなるようインスペクション、瑕疵保険制度などの普及啓発を行う。さらに、新たに創設された空き家の譲渡に係る特別控除の活用など中古住宅流通市場の活性化への取組みを通じて日本経済成長に寄与していきたい。


◆(一社)不動産協会 理事長 木村惠司氏

・平成28年の地価公示は、全国平均で8年ぶりに上昇に転じた。三大都市圏では住宅地・商業地とも引き続き上昇し、商業地の上昇基調が強まるとともに、地方部でも下落率がより縮小するなど、我が国の不動産に対する需要が堅調に推移する中、地価の回復傾向が持続していると評価している。

・我が国経済は緩やかな回復基調が続いているが、海外経済の動向等、一部に不安定な要素も見られる中、デフレからの脱却と持続的な成長につなげていかなければならない。引き続き、経済成長の重要な原動力である都市の国際競争力を高め、国全体の経済を牽引するとともに、内需の柱である住宅投資を活性化し、住宅市場を安定的に推移させていくことが不可欠だ。

・人口減少、高齢化などの社会構造の変化が本格化する中、我々としても、2020年の東京五輪やその先も見据え、世界で最も魅力ある都市の構築や豊かな住生活の実現に向け、貢献して参りたい。


◆(一社)不動産流通経営協会 理事長 田中俊和氏

 今回の地価公示を見ると、地価は3大都市圏・地方中核都市の住宅地・商業地が3年連続で上昇し、その他地域の下落幅が縮小したことにより、全国・全用途で8年ぶりに上昇に移行した。商業地の地価は、リート・ファンド、国内外の投資家の旺盛な不動産投資意欲の高まりや、堅調なオフィス・店舗需要等を受け、法人不動産市場は活発な取引が継続し、上昇率が拡大している。住宅地では、緩やかな景気の回復、住宅ローン金利の一段の低下や住宅需要等が下支えとなり、底堅く推移している。

 東日本不動産流通機構(レインズ)によると、昨年4月以降の土地の平均価格は、都区部ではプラスとなっているが、首都圏域ではほぼ前年並。全物件(土地・戸建・マンション)の平均価格は、約4%のプラスと、今回の公示価格は不動産流通業界の実感に近い。レインズの取引件数は前年に比べ二桁アップとなっており、足元の不動産流通市場は好調だ。

 今後も、土地等の不動産取引は、日銀のマイナス金利による住宅ローンや貸出金利の一層の低下、住宅購入に対する優遇措置や景気の回復により拡大基調が継続するものと見込まれる。

 地価の安定的回復は、国民生活・経済活動の基盤である住宅・不動産市場の拡大を促し、持続的経済成長を後押しする。不動産流通市場の活性化を第一とする当協会の果たす役割は大きいものと認識し、引き続き安心・安全な市場の整備に鋭意取り組んでいく。


◆(公社)全日本不動産協会 理事長 原嶋和利氏

 住宅地の全国平均では、わずかに下落したが、下落幅は縮小傾向にある。

 三大都市圏では小幅な上昇に留まったが、地方中枢都市の地価が上昇していることが確認できる。

 都道府県別の地価の変動率をみると、下落率の大きい都道府県数は、昨年に比べ、半分以下に減少し、上昇した都道府県数も増えたことから、全国的にも底堅い地価動向となった。

 一方、商業地においては、総じて地価は堅調に推移。三大都市圏も上昇基調。ここでは、さらに地方中枢都市の地価の上昇が目立っており、住宅地・商業地を問わず、三大都市圏を上回っている。

 なお、商業地での都道府県別の地価の変動率をみても、下落率の大きかった都道府県の減少と上昇都道府県の増加が住宅地以上に認められた。
 住宅地・商業地の用途の別なく昨年よりも改善の基調にあることは歓迎される。

 特に現在、マイナス金利政策による史上最低の住宅ローン金利や住宅ローン減税などの施策もあって、マイホームを持とうとする意欲が刺激されることで、今後、住宅地の地価によい影響が出ることを期待したい。
 また、商業地においては、外国人観光客の増加などを背景として不動産投資に対する意欲が引き続き持続することを期待する。

 その一方で、人口減少とともに来年度の消費税増税の影響が回復傾向を示す現在の地価動向に対して、どのように及ぶか、一抹の不安もある。


◆三井不動産(株) 代表取締役社長 菰田正信氏

 平成28年の地価公示では、三大都市圏および地方中枢都市を中心に地価の上昇が継続しており、全国・全用途平均が8年ぶりに上昇に転じるなど、地価の上昇傾向が全国に拡がりをみせている。

 首都圏のマンション市況については、供給量の前年割れの状態が続いているものの、雇用・所得の改善や低金利が続いていることなどから顧客の購入マインドは依然として高い。特に顧客のニーズに対応した物件の販売は好調であり、今後も市場は概ね堅調に推移していくとみている。
 オフィスビルについては、企業業績の向上により、オフィスの増床や拡張移転等の動きが引き続き活発で、東京都心における募集賃料の上昇が継続し、また地方都市においてもテナント需要が拡大し、空室率の改善傾向が続いている。今後もBCP意識の高まりや優れた人材確保への動きもあり、防災・省エネ対策や利便性に優れたビルへの需要の拡大が続くとみている。
 不動産投資市場においては、オフィス賃料の上昇等を背景に、海外勢を含む投資家等の取得意欲が引き続き高く、企業の不動産取引はリーマンショック以前の高い水準となっている。

 当社グループにおいては、顧客のニーズを的確に捉え、新たな需要を創造しながら、東京そして日本各地において、その地域の特性を活かした魅力ある「街づくり」を進め、日本経済の成長の牽引役を担っていきたい。


◆三菱地所(株) 取締役社長 杉山博孝氏

・平成28年の地価公示は、三大都市圏では商業地を中心に引き続き上昇するとともに、地方部でも中枢都市では上昇幅が拡大しその他の地域でも下落率が縮小するなど、地価の回復の兆しをよりはっきりと感じることができるようになった。

・当社オフィスビル事業においても、事務所拡張需要が顕在化し、空室率が低下し賃料の改善が見られている。旺盛なオフィス需要を受け、平成28年3月末時点の東京・丸の内における予想空室率は1%台である。賃料についても空室率の改善を受け、引き続きゆるやかな上昇傾向が継続している。

・平成27年10月に竣工した「大手門タワー・JXビル」は満室で竣工したほか、本年4月に竣工する「大手町フィナンシャルシティ グランキューブ」は、ほぼ満室での稼働を予定している。

・名古屋でも、平成27年10月に竣工し、本年3月にグランドオープンを迎えた「大名古屋ビルヂング」もほぼ満室で稼働している。名古屋駅前の再開発や、将来的なリニア新幹線開通による、エリアの競争力向上への期待が反映されたものと解される。

・住宅においても、景気の回復や低金利の継続への期待感等により、駅近など利便性の高い物件をはじめ首都圏・関西圏を中心に需要は引き続き旺盛で堅調に推移している。

・個別物件については、東京・千代田区で販売中の「ザ・パークハウス 千代田麹町」(平成29年11月竣工予定)は、平成27年12月の案内開始以降500組超が来場、浦和駅徒歩3分の「ザ・パークハウス 浦和タワー」(平成29年3月竣工予定)も、平成27年11月の販売開始から5カ月で9割超にあたる140戸が契約済みと、好調な販売状況である。


◆住友不動産(株) 代表取締役社長 仁島浩順氏

 今回の地価調査では、三大都市圏で住宅地、商業地ともに3年連続の上昇となった。昨年に比べ上昇幅も拡大、東京都心部を中心に上昇基調を強めている。

 企業業績の改善や個人消費の回復により、東京都心では、オフィスビルの賃料上昇が本格化、分譲マンションの販売価格は値上がり傾向が顕著となった。金融緩和による低金利環境が継続し、中古マンションや投資用不動産の売買市場も堅調に推移した。

 一方、足元では、円高・株安基調に転じ、景気の先行き不透明感が強まっている。建設費の高止まり傾向が続くなど、不動産市況を取り巻く環境は依然として楽観できない情勢だ。政府には、アベノミクスを成功に導くべく、引き続き適時適切な経済対策の投入を期待したい。
 

◆東急不動産(株) 代表取締役社長 植村 仁氏

 今回の地価公示では、都市圏では住宅地・商業地ともに上昇が継続、また地方圏においては住宅地・商業地ともに都市圏を上回る上昇がみられた。これは、全国的な雇用情勢の改善などによる需要の下支えと外国人をはじめ国内外からの来街者の増加等による好影響が都市圏から地方圏にまで波及しはじめたものと捉えている。

 住宅地については、都心エリアを中心に、住環境や交通利便性が良好なエリアにて堅調な推移を続けており、首都圏における千代田区一番町の高額物件『ブランズ ザ・ハウス一番町』や、関西圏での駅直結タワーマンション『ブランズタワー御堂筋本町』など、好調な販売を維持している。

 商業地では、国内外からの来街者の増加等を背景に、銀座や表参道といった商業集積の高い地域での需要が旺盛であり、当社では、『東急プラザ銀座』が3月31日に開業。東急百貨店・東急ハンズ・東急文化村などグループコンテンツが集積するほか、都内最大となる市中空港型免税店、複数のグローバル旗艦店、銀座エリア最大となるパブリックスペースの設置等、国内外に向けた情報発信拠点として東京・銀座の新たなランドマークとなるこを目指していきたい。また同じ銀座エリアにおけるグループの取り組みでは、3月7日に東急ステイ銀座がオープンし、高稼働を維持するなど、グループ一体となり銀座の活性化貢献を図っている。また地方圏においても、沖縄県瀬良垣におけるホテル事業への参画や、需要の高まりが著しいニセコエリアにおける新規設備投資など、インバウンド需要の取り込みを見込んだ積極的な投資を行っている。

 今後の地価動向に関しても、引き続き、都心部を中心とした競争力が強いエリアが牽引する動きが続くとみている。当社では、広域渋谷圏における複数の再開発案件、国家戦略特区における竹芝地区開発計画、(仮称)内幸町二丁目プロジェクトなど、都心優良立地において魅力ある開発を続けることにより、継続的な都市の価値向上に尽力してまいりたい。


◆野村不動産(株) 取締役社長 宮嶋誠一氏
 
 今回の地価公示では、全国の全用途平均で上昇し、特に地方中核都市および商業地では上昇傾向が顕著であった。

 分譲マンション市場に関しては、東京都心部の分譲マンションの価格上昇は継続しており、 加えて近郊部でも駅周辺再開発等による高度利用地の新規分譲マンションで価格上昇が顕著である。この傾向は東京のみならず地方中核都市にも波及の兆しが見られ、現状ではシニア層や共働き世帯等による需要が旺盛といえる。

 オフィスビル市場に関しては、空室率の低下傾向は継続しており、賃料上昇の動きは新規募集に加え、改定においても顕著となっている。また商業施設に関しては、東京都心部を中心にテナントの出店意欲は旺盛であり、不動産価格の上昇傾向が見られる。

 今回の地価公示のトレンドは、最近の不動産取引動向を反映したものとなっており、今後は上昇傾向にあるマンション販売価格や、高止まりしている建築費の動向について引き続き注視していく必要があると考えるものである。


◆東京建物(株) 代表取締役 社長執行役員 佐久間 一氏

 今回発表された地価公示では、雇用情勢の改善等による住宅需要の下支え、オフィス空室率の低下等による収益性向上および良好な資金調達環境等を背景に、三大都市圏の住宅地は緩やかな上昇が継続、商業地は上昇基調が強まった。また、地方中枢都市が全用途で三大都市圏を上回る上昇率となったことは、不動産マーケットの回復が地方圏にまで波及していることを示していると思われる。

 景気全体としては穏やかな回復基調が続いているものの、株式、為替相場の不安定な動きや新興国経済の先行き不透明感など、一部に弱い動きも見られる。
 不動産業界においては、賃貸オフィス市場は空室率の低下傾向が継続し、賃料水準も明確に上昇に転じている。分譲マンション市場については、価格上昇に伴って二極化の兆しが顕在化しつつあり、都心部が好調に推移する一方で郊外部はやや翳りが見られる。不動産  投資市場については、物件取引は引き続き高水準で推移しており、都心部での取得競争の過熱から地方中枢都市に投資エリアが拡大する動きも見られている。

 今後も引き続き、経済の好循環が不動産市場の活性化に繋がっていくことを強く期待するとともに、当社グループとしては、これまで培ってきたノウハウと革新的なグループシナジーを発揮することによって、ハード面のクオリティだけではなく、上質なソフトやサービスを提供し、社会の成熟化に伴う様々な課題の解決や都市の国際競争力強化に貢献していきたい。

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