



三菱地所(株)は27日、「大手町フィナンシャルシティ グランキューブ 及び 宿泊施設棟」(東京都千代田区)の竣工式を執り行なった。
同プロジェクトは、大手町エリアの連鎖型年再生プロジェクト第3事業として進められてきたもの。オフィスおよび商業店舗からなる「グランキューブ」(オフィス棟)と、(株)星野リゾートが都市型施設として初めて運営する高級日本旅館「星のや東京」(宿泊施設棟)の2棟で構成される。同事業の竣工で、「大手町フィナンシャルシティ」一体街区が完成した。
東京メトロ・都営地下鉄「大手町」駅徒歩1分。敷地面積は約1万1,200平方メートル。オフィス棟の延床面積は約19万3,600平方メートル。地下4階地上31階建て。宿泊施設棟の延床面積は約1万3,900平方メートル。地下3階地上18階建て。
電力と水の自立型システムを導入したほか、地域冷暖房サブプラントが非常用電力で稼動するなど、BCPにも対応。その他、エリア全体の防災機能の強化や大規模駐輪場の整備といった都市基盤も整備した。
「グランキューブ」には、飲食8店舗、物販1店舗、フィットネス1店舗が入居し、就業者の気軽なランチやカジュアルディナーなどに利用できる飲食店を中心としたフロア。グランドオープンは5月9日。「星のや東京」は、“塔の日本旅館”をコンセプトに、全84室を用意。7月4日にグランドオープンする。
オフィスは、1フロア当たりの賃貸面積は約4,200平方メートルと、大手町地区最大級の空間を整備。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(株)やソニー生命保険(株)、協和発酵キリン(株)などの本社が入居し、ほぼ満室状態で竣工を迎えた。このほか、海外企業等とのビジネス開発支援と誘致等をワンストップで行なう支援施設「Global Business Hub Tokyo」も設置している。
同日会見した同社代表取締役専務執行役員の合場直人氏は「この施設の完成で、20年以上にわたり進めてきた大手町の連鎖型年再生プロジェクトが完成する。東日本大震災発生直後に開発を始めたこともあり、防災機能はこれまでの最新鋭ビルをさらに上回る高い性能を持たせた。防災拠点ビルとして、帰宅困難者の収用など近隣の人たちにも手を差し伸べていく。温泉施設も、もともとは防災用として考えていたもの。熊本地震の被災地でも、被災者を支援している人たちが入浴できず困っているという。ここの温浴施設も、災害の際は支援者に入ってもらおうと考えている」などと語った。