不動産ニュース / その他

2016/11/9

「現中計の先を見据え足場固め進める」/東京建物次期社長・野村 均氏が抱負

「顧客満足度向上に向け、ソフトサービスの強化・提供に力を入れていく」と語る野村 均次期東京建物社長
「顧客満足度向上に向け、ソフトサービスの強化・提供に力を入れていく」と語る野村 均次期東京建物社長

 2017年1月1日付で東京建物(株)の代表取締役社長執行役員への就任が決まった野村 均氏が9日、当社の取材に応じた。

 住宅事業、ビル事業、仲介を含めたアセットサービス事業という同社の主力事業の現場を、ほぼ均等に経験してきた同氏。「現在、15年2月に策定した15~19年の中期経営計画期間中だが、おおむね計画通りに進捗している。抜本的に何かを変えるというより、それぞれの事業の収益力をさらに向上させるために必要なことを見極め、進めていきたい」と抱負を述べた。

 今の市場については、主力のビル事業について、投資環境は加熱気味であり、同氏は「価格を競って取得する時期ではないと見ている。賃貸環境については、賃料は上昇傾向、空室率も低い。既存テナントとも増額改定ができている。内部成長は順調に進んでいる」と現状分析する。

 住宅事業については、「Brillia Towers目黒」(東京都目黒区)、「Brillia THE TOWER TOKYO YAESU AVENUE」(東京都中央区)のタワー物件が順調に完売達成。現在分譲中の「Brillia Tower 上野池之端」(東京都台東区)についても好調に推移しており、順調との認識。しかし、同氏は「郊外で駅距離のある物件などは厳しさを増している。特徴に乏しい物件は今後さらに厳しくなる」と述べた。
 こうした環境下では、顧客満足度向上が重要と、テナントとの関係向上に向けたホスピタリティの充実や、マンション管理サービスの充実、開発でもエリアマネジメントなどニーズや社会情勢にあったまちづくりが求められるとし、ソフト面での強化を進めていく考えを示した。

 また仲介、アセットソリューション(主に買取再販事業)、温浴、駐車場、サ高住などさまざまなビジネスについて同氏は、「新規ビジネスのほか、社会的要請に応える形で、サ高住の供給や、保育サービス事業への進出など、さまざまな事業に取り組んでいる。試行錯誤を繰り返しながら、“大黒柱”とまでいかなくても、会社を支える“鉄筋”的な存在まで成長させていきたい」と語った。

 好調なビル事業、住宅事業でのマンション分譲の計上が今後数年続くことから中計の目標数字(連結営業利益500億円)は達成できる見通し。「景気回復の兆しがなかなか見えない中、低金利はまだしばらく続くと見ている。資金調達に関して言えば良好な環境が続くと見られ、19年末までに、足場固めを進めていく」(野村氏)考えであることを明らかにした。

 また、AIや不動産テックなどの新技術について、「まだ勉強ができていない状況だが、それらの技術の台頭で不動産のビジネスそのものや、社会環境に変化が起きるかもしれない。あらゆる状況に備えるためにも、当社がビジネスで遅れをとらないためにも、専門チームを設けて取り組んでいく必要があるかもしれない」(同氏)とした。

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年5月号
住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/4/5

「月刊不動産流通2024年5月号」発売開始!

月刊不動産流通2024年5月号」の発売を開始しました。

さまざまな事情を抱える人々が、安定的な生活を送るために、不動産事業者ができることとはなんでしょうか?今回の特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part 7 住宅弱者を支える 」では、部屋探しのみならず、日々の暮らしの支援まで取り組む事業者を紹介します。