「地域で働く不動産屋さんによる情報交換会」(通称:ジバコー)の13回目となる会合が9日開催され、不動産会社、物件オーナーなど約40人が参加した。
同会は、地域密着型の中小不動産会社、物件オーナー、不動産関連事業者などが集まり、不動産流通業界関連で話題となっていることや、新しいビジネスモデル等についての情報交換などを行なっている。
今回のテーマは「ひとつ上のこれからの不動産流通について」。挨拶に立った同会発起人の1人、徳山 明氏((株)尚建代表取締役)は、「これからの日本は、建物が余り続けるという不動産流通事業者が直視したくない現実が待っている。単なる情報の流通でなく新たな付加価値をどう持たせるか、お客さまがやりたいコトを不動産を通じてどうかなえてもらうかが重要になる」などと語った。
会合ではまず、(有)PM工房社代表取締役・久保田 大介氏と、永幸不動産(株)代表取締役の森下智樹氏が、両社で運営するサイト「ワクワク賃貸.com」を解説した。同サイトは「既存のポータルサイトでは検索できない“ワクワクする不動産”をしっかりお客さまに紹介するため」(森下氏)にポイントをしぼったつくりで、「ワクワクポイントに特化した説明文」および「入居中でも空き待ちできる」といった特色があるという。
続いて、不動産情報化事業を手掛けるリーウェイズ(株)代表取締役CEOの巻口成憲氏が、自社で開発したビックデータがベースの投資用不動産に特化したマッチングシステムを紹介。同氏は「不動産テックに成功した会社はほとんどないが、それは定量化・数値化の難しい自己使用の不動産をターゲットにしたことと、ウェブですべてを完結させようとしたことが原因。当社は、数字がすべての投資用不動産に特化し、客付けや管理を全国の登録業者にお任せすることで、投資家、不動産事業者とのwin-winの関係を構築する」と語った。
最後に、すべての取り扱い物件に「インスペクション」「既存住宅瑕疵保険」「住宅履歴書」を導入している価値住宅(株)代表取締役の高橋正典氏が講演。これらのサービスにより、大手他社を上回る建物査定額を出し成約につなげたケースなどを通じ、「中古住宅の価値をきちんと評価すれば、それを認めてくれるユーザーは確実に増えている。新たな住宅循環システムを作り上げたい」と抱負を語った。