不動産ニュース / 政策・制度

2016/12/9

住宅トップランナー基準、17年4月施行/国交省他

合同会議の様子
合同会議の様子

 国土交通省および経済産業省は9日、建築物エネルギー消費性能基本等ワーキンググループおよび省エネルギー判断基準等小委員会の合同会議(第9回)を開催した。

 合同会議では、建築物省エネ法に基づく住宅事業建築主基準(住宅トップランナー基準)について議論。住宅トップランナー基準は、住宅事業建築主に対して供給する建売戸建住宅の省エネ性能の向上の目標を定めるもので、断熱性能の確保、効率性の高い建築設備の導入等により、省エネ性能の向上を誘導する。国土交通大臣は、省エネ性能の向上を行なう必要がある事業者に対し、目標を示して性能の向上を図るべき旨の勧告、勧告に従わなかったときは公表、命令(罰則)することができる。
 次期目標年度は、基準案の公表からおおむね5年後の2020年度。評価方法は、16年省エネ基準プログラムに基づく一次エネルギー消費量の評価方法に統一する。新水準案では、一次エネルギーが16年基準から15%削減、外皮が16年外皮基準となる。

 建築物省エネ法の規制措置に係る政令等の内容については、対象となる規模等は、床面積合計2,000平方メートル以上の非住宅建築物。畜舎、自動車車庫など空調設備のない建築物等は規制対象外。届け出義務の対象は、床面積合計300平方メートル以上の建築物。年間150戸以上一戸建て住宅を新築する者。また、増改築のうち、(1)増改築後の延床面積2,000平方メートル以上、(2)増改築後の延床面積に対する増改築部分の面積の割合が2分の1超。

 適合性判定等に係る手続きの運用については、建築主は、建築確認の際、所管行政庁・省エネ適判機関の省エネ基準への適合性判定を受け、適合判定通知書を建築主事・確認検査機関に提出することが必要。所管行政または登録省エネ判定機関は、平面図・機器表等の設計図書や省エネ計算書等により、計画が省エネ基準に適合するかどうかを判定。建築主事または指定確認検査機関は、確認審査時に、(1)省エネ基準適合義務対象か、(2)適合判定通知書が提出されているか、(3)確認申請書と計画書が整合しているかを審査する。
 また、建築主は、完了検査申請の際、適合性判定に要した図書や変更後の計画が省エネ基準に適合することを示す書類を提出することが必要。建築主事または指定確認検査機関は、適合性判定を受けた計画等通り工事が実施されたものであることを、工事監理報告書等の書類確認や目視により検査する。

 パブリックコメント(実施期間10月21日~11月20日、意見総数16件)の結果は、住宅事業建築主基準に係る意見はなかったとした。会議では「16年基準で15%削減という水準は、半分くらいの業者は達成しているというが、年間供給戸数150~1,000、2,000の建築主にはハードルが高い。達成した後どうするのか、5年後の姿を見せて導いてほしい」、「建築主には基準が認知されているが、購入する消費者にも運用上で支払いが少なく済むという、付加価値を認識して購入してもらうことが大切。分かりやすい資料を広報で広めてほしい」などの意見が出た。

 なお、議論した内容は告示にまとめて、17年4月1日施行となる。

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