日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)は19日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で、2017年度第19回全国大会を開催した。
冒頭、挨拶に立った小野秀男理事長は「昨年は熊本地震をはじめ、函館、鳥取、茨城と、震度6弱の地震が10回も起こった。今後起こる巨大地震に備えて、予知ではなく、予防が大切。あらかじめ防ぐ準備ができているのか、改めて問いたい」とし、「組合員の皆さまには、各家庭、会社、地域で防災リーダーになると宣言していただきたい。一人ひとりが防災リーダーになるという意識があれば、被害が減らせるのではないか」と、今年の提言を述べた。
続いて、国土交通省大臣官房審議官の伊藤明子氏が昨年の熊本地震の木造建築物の被害状況について発表。旧耐震基準の木造建築物の倒壊率は28.2%(214棟)となり、新耐震基準の木造建築物(1981年6月~2000年5月8.7%(76棟)、2000年以降2.2%(7棟))と比較して顕著に高かったことを明らかにした。
また、東京大学大学院理学系研究科教授のロバート・ゲラー氏は「地震学の現状と限界~想定外を想定しよう~」をテーマに講演。文化庁文化財部参事官(建造物担当)震災対策部門文化財調査官の西岡 聡氏は「木造伝統的建造物の震災対策」を、(株)M’s(エムズ)構造設計代表取締役の佐藤 実氏は「熊本地震被害最終報告~倒壊・非倒壊 その違いは何か~」をテーマに講演を行なった。