不動産ニュース / 開発・分譲

2017/4/6

都市部駅前狭小地に耐火木質ビル/住友林業

(株)フレーバーライフ社本社ビル完成イメージ

 住友林業(株)は6日、施工を担当する7階建て耐火木質ビル(東京都国分寺市)のプレス向け構造見学会を開催した。

 JR中央線「国分寺」駅徒歩5分。鉄骨造地上7階建て、敷地面積180.80平方メートル、延床面積606.31平方メートル。各階延床面積が90平方メートル前後のペンシル型ビル。

 (株)アロマ製品の輸入販売会社(株)フレーバーライフ社(東京都国分寺市、社長:興津秀憲氏)より、木造による本社ビル建築を受注、同社が施工を担当。設計は(株)スタジオ・クハラ・ヤギ。国土交通省が推進する2015年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)に採択された。

 1~3階は鉄骨造、4~7階が木質ハイブリッド造で、大臣認定を取得している鉄骨内蔵型の耐火部材「木質ハイブリッド集成材」を採用している。従来の「木質ハイブリッド集成材」に改良を加え、凡用性が高く、誰でも建てられる普及型の開発を目指し、鉄骨の接合にノンブラケット工法を採用。ジョイントの数が少なく、集成材の形状が一定で製作を簡略化できたという。

 見学会でスタジオ・クハラ・ヤギ代表取締役・八木敦司氏は「都市にビルを建てるとき、鉄筋コンクリート造、鉄骨造に加えて、木造を選択肢にできる時代になってきた。コストは、通常の鉄骨造、一般耐火被覆材よりも10~15%アップするが、狭小地の多い都市部、駅前で普及を考えている」などと述べた。

 住友林業では、都市部狭小地での木を利用した事務所ビルやテナントビルなど、中高層建築の新たなマーケット開拓を目指していく。竣工は17年7月末の予定。

ビルで使われている「木質ハイブリッド集成材」

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

集成材

厚さ1~3cm程度の挽板またはラミナといわれる小角材を、繊維方向が互いにほぼ平行になるように重ね、合成樹脂接着剤で接着合成し1つの材としたもの。天然材と比較して、強度性能が高く欠陥が少ない、均一な材を造ることが可能である。

続きはR.E.wordsへ

動画でチラ見!

座談会「事故物件に立ち向かう」

掲載誌はこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。