不動産ニュース / 開発・分譲

2017/9/5

「四谷コーポラス」解体前に公開/旭化成レジ

四ツ谷コーポラス
「四谷コーポラス」エントランス。入口のところに管理人室がある

 旭化成不動産レジデンス(株)は9月末に、日本最初期の民間分譲マンション「四谷コーポラス」(東京都新宿区、総戸数28戸)の解体・建て替えプロジェクトに着手する。5日、解体に先立ってプレス向けに見学会を開いた。

 同マンションは1956年、日本信用販売(株)が月賦販売などのノウハウをもとに都市型集合住宅の販売に挑戦したプロジェクト。開発当時に担当者が米国大使館を訪れ、米国の集合住宅について知見を得て建設した。JR「四ツ谷」駅より徒歩5分、敷地面積は307坪。建物は鉄筋コンクリート造地上5階建て。延床面積は2,290平方メートル。メゾネットタイプのA型(専有面積23.3坪)が24戸、B型(専有面積15.6坪)が4戸。

 12~13坪のマンションが主流だった時代に、メゾネット・23坪という広さは高級マンションとして売り出した経緯が伺える。大卒初任給が1万円だった当時、販売価格はA型が233万円、B型が156万円。売り主の日本信販は1、3、5、10年・年利12%元利均等償還の住宅ローンも用意していた。集合住宅での割賦販売は初めてだった。

 また、契約後に購入者と売り主が折衝して間取りを自由に設計できるなど、現在のオーダーメイドと同様の販売手法を手掛け、管理人による外出時のカギの預かりやゴミ集め、洗濯クリーニングの取り次ぎなど、現在のコンシェルジュサービスの原型と言えるサービスを行なっていた。さらに、管理規約の制定や民間の管理会社による管理など、同社マンション建替え研究所の大木祐悟氏は「現在の分譲マンションの原型だと考えられる」と話す。

 管理組合では、2006年ごろからコンクリートの劣化やインフラの老朽化などに悩まされていた。11年の東日本大震災を経験し、13年に耐震診断を実施したところ、著しい劣化が判明。修繕コストも大きく、建て替えの本格検討に踏み切った。16年には旭化成不動産レジデンスを事業協力者と認定。個別相談などを経て合意形成を進め、17年3月に建替決議が成立した。

 建て替え後は、鉄筋コンクリート造地上6階地下1階建て。総戸数55戸(販売戸数27戸)、30~114平方メートル(地権者住戸含む)の33パターンの間取りを用意する。延床面積は3,970平方メートル(容積対象外1,265平方メートル含む)とする計画。販売価格は、周辺相場並みを見込む。住民コスト負担も大きかった(非公開)にも関わらず、再取得者が9割と、同社の他の建て替えプロジェクトに比べて高かった。

共用廊下
ほとんどがメゾネットタイプで、1階と4階にのみ共用廊下があるのも特徴
収納充実
分譲時に収納を充実するように自由設計した住戸。現在もほぼ当時のまま残っている

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建て替え

建物を改築すること。全面的な建て替えのほか、建物の一部を建て替える場合もある。マンションの建て替えには、区分所有者およびその議決権の各5分の4以上の多数による決議(建替え決議)が必要である。

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