不動産ニュース / リフォーム

2017/10/31

築52年既存不適格を再生、長期借入も実現

従前
改修前の「林マンション」
従後
改修後の「林マンション」

 三井不動産(株)は31日、(株)青木茂建築工房の“リファイニング建築”を活用した老朽化不動産の再生コンサルティングサービスの第2弾に着手した。

 今回再生するのは「林マンション」(東京都大田区)で、特定緊急輸送道路沿いに建つ築52年の共同住宅兼店舗。都営浅草線「馬込」駅より徒歩10分に立地。敷地面積は284.91平方メートルで、建物は鉄筋コンクリート造地上6階地下1階建て。延床面積は1,049.27平方メートル。

 コンクリートの中性化が進行し、耐震の問題で入居者が入らない、違法増築や日影規制など既存不適格、検査済証がないなど、行政手続上でも問題を抱えた物件だった。仮に、建て替えを選択した場合、現行の半分程度のボリュームとなるため、事業採算も合わなくなっていた。

 三井不動産が事業の検討段階から全体のコンサルティングを担当。問題を解決するために、ブレースを使用しない耐震補強や耐震改修促進法の認定制度を活用した建築確認申請提出、検査済証の取得などにより、建て替えの7割の予算で現行ボリュームを維持し、事業性能を確保する。さらには、築52年を経た建物にもかかわらず30年間の長期借入を実現した。

 基準階住戸数は従前の4戸から3戸に変更、PSも共用廊下に設置することでメンテナンスをしやすくした。専有部については、間取りを2DKから1LDKに変更して現在のマーケットに合わせるほか、直床も2重床に変更する。

 竣工は2018年3月末を予定。改修後は、三井不動産グループが賃貸管理・運営をはじめとした各業務でのワンストップソリューションを展開していく。

この記事の用語

既存不適格建築物

事実上建築基準法に違反しているが、特例により違法建築ではないとされている建築物のこと。建築基準法第3条第2項では、建築基準法および施行令等が施行された時点において、すでに存在していた建築物等や、その時...

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