不動産ニュース / 決算・業績・機構改革

2017/12/11

機関投資家の不動産投資、理由は「安定インカム」

 (株)三井住友トラスト基礎研究所は11日、「不動産投資に関する調査 2017年」の結果を発表した。年金基金や機関投資家など565件にアンケートを送付し、105件の回答を得た。調査時期は2017年9~10月。

 オルタナティブ商品への投資実機の有無については、年金基金の83%、機関投資家の87%が「投資実績あり」と回答。12年の調査開始以降、年金基金の回答割合はほとんど変化がないが、機関投資家では「実績あり」の回答が16年頃から90%を占めるようになってきたことから、オルタナティブ商品投資への浸透がうかがえた。

 オルタナティブ商品への投資を行なわない理由については、「流動性が低い」「運用対象に含めていない」が最多に。

 オルタナティブ投資を行なった理由では、「分散投資効果」がトップ。「リターンの向上」「安定的なインカムゲイン(分配金)の確保」が続いた。

 具体的なオルタナティブ商品については、「不動産」「ヘッジファンド」「プライベート・エクイティ」が上位3位に。

 現在不動産投資を実施している投資家に、その理由を聞いたところ、「安定的なインカムゲインの確保」がトップとなり、以下「分散投資効果」、「リターンの向上」の順となった。

 具体的な不動産投資商品については、「国内不動産私募ファンド(オープンエンド型)」が年金基金で49%(26件)、機関投資家で23%(18件)と、いずれも最多割合となった。なお12年からの推移で見ると、年金基金は「国内不動産私募ファンド(クローズドエンド型)」が減少傾向にある一方「オープンエンド型」が増加傾向。機関投資家においては、「J-REIT」が減少傾向で、「オープンエンド型」が増加傾向にある。

 今後の不動産投資に対するスタンスについては、年金基金では「現状の不動産投資額を維持する予定」が、機関投資家は「不動産投資を実行する/増やす予定」との回答が最多に。

 なお、不動産投資を行なう上で必要な不動産投資インフラ条件については、「不動産運用会社の運用能力」がトップとなった。

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

オルタナティブ投資

伝統的な資産以外に対する投資。伝統的な資産とされるのは上場株式や債券であるが、オルタナティブ投資は、これら伝統的な資産と価格動向等が連動しない資産に対する投資であり、リスクの分散、収益パターンの多様化、ハイリスク・ハイリターンなどのニーズに応えるべく発達してきた。

続きはR.E.wordsへ

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。