不動産ニュース / リフォーム

2018/2/9

共用ラウンジでREIT保有ビルを差別化/いちご

「ICHIGO LOUNGE」内装

 「いちごオフィスリート投資法人」の運用会社であるいちご投資顧問(株)は、同投資法人保有の「いちご東池袋ビル」(東京都豊島区)のワンフロアを改修。テナント向け共用ラウンジ「ICHIGO LOUNGE(いちごラウンジ)」を導入した。

 同ビルは、敷地面積772.77平方メートル、延床面積6,468.08平方メートル、1980年10月築の鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上9階建て。耐震補強工事は実施済み。JR「池袋」駅から徒歩約5分、明治通り沿いに位置する。

 3階のワンフロア(約160坪)を借りていたテナントの退去に伴い、リノベーションをすることに。同社オフィスリート運用部シニアヴァイスプレジデントの佐々田 道雄氏は「1区画15~35坪程度で共用部が充実しているなど先進的な中小ビルが少ないというご相談をお客さまから受けていた。それに既存のままだと周辺に競合ビルが多く、築年数の面からも競争力が落ちていくことは明らかだったため、リノベに踏み切った」と述べた。

 6区画(12.89~38.33坪)に仕切り、そのうち1区画(約15坪)を共用ラウンジとして仕上げた。テナントは自由に使用でき、テーブルやソファ、24型モニター、Wi-Fi、飲み物などを無料で利用できる。同ラウンジの運営費用は共益費から賄う。そのほか、水回り設備の刷新やセキュリティ機器(スマートロック)も追加した。全体の工事費用は約2,900万円。

 専有部の賃料は坪当たり2万5,000円~。周辺相場と比較すると5割程高い設定だが、高い反響を得ており、募集開始後すぐにeコマース企業から申し込みが入った。ラウンジについては、テナントの意見を聞いてサービスのブラッシュアップしていくほか、交流会やセミナー等も主催していく考え。

 同氏は「築40年を迎えるビルであっても、マーケットの分析やテナントニーズに耳を傾けた改修を行なうことで競争力を保つことができる。今回のいちごラウンジはその試金石としたい」と話す。

 今後も、同投資法人のポートフォリオ(85物件)のうち、ターミナル駅近くの築年数が経過したオフィスビルを中心に同様の改修を行なっていく。

専有部は5区画
「いちご東池袋ビル」外観

この記事の用語

アセットマネジメント(Asset Management)

委託を受けて不動産などの資産の形成、運用、保全を行なうことをいう。その際に重要なのは、投資目的に沿ってリスクとリターンをコントロールすることであり、資産価値を評価するほか、投資内容や投資先の分散、投資期間の設定などについて工夫することが要求される。

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