
森ビル(株)は3月1日より、同社が開発した地震直後建物被災度推測システム「E-Daps」の中低層ビルへの導入を開始する。
同システムは、加速度計によって計測されたデータと、建物固有の構造特性を基に、フロアごとの揺れの加速度と建物変形から、建物の被災状況を自動解析するもの。建物構造の被災状況の判定に活用することができる。
実測データに基づいた判断が即座に可能となるため、優先順位をつけた初動対応ができるという。
2013年より六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズといった高層ビルに導入してきたが、鉄筋コンクリート造の中低層ビルでは加速度だけでは判断が難しいとされていた。高層ビルでは数フロアごとに設置していた加速度計を各フロアに設置することで、中低層ビルでも被害状況の把握が可能となった。
今回、「虎ノ門30森ビル」(東京都港区)で運用を開始。地震力が集中する1階の駐車場と2階の設備パイプスペース内に4台のカメラを設置し、発災時には4台のカメラで撮影された画像から瞬時にコンクリートのひび割れを検出。自動的に送信し、解析を行なう。