不動産ニュース / 開発・分譲

2018/6/6

ナイス、弥生台で独自工法の木造福祉施設

「(仮称)ぴぐれっと1新築計画」外観
テクノビーム梁が渡された2階。約40平方メートルを無柱空間としている

 ナイス(株)は5日、テクノストラクチャー工法による福祉施設「(仮称)ぴぐれっと1新築計画」(横浜市泉区)の上棟に伴い、主要構造部を関係者等に公開した。

 「テクノストラクチャー工法」は、木造軸組の横梁をパナソニック製の鉄骨梁(テクノビーム)とすることで、高い耐震性を維持しながら、最大10mスパンの大空間施工を可能とする。木造プレカット工法による短工期、少人数施工が可能で、混構造ではなく木造に分類されるため、減価償却や税制面でも有利となる。耐火建築や準耐火建築での施工も可能なため、非住宅建物としても利用できる。

 「(仮称)ぴぐれっと1新築計画」は、相鉄いずみ野線「弥生台」駅徒歩3分に立地。木造2階建て、建築面積218平方メートル、延床面積377平方メートル。2階に長さ6.8mのテクノビームを2本使うことで、約40平方メートルの多目的室の無柱化を実現した。また、250mmの段差を持つテクノビームを建物外に伸ばすことで、避難廊下を支持柱なし、2階床との段差なしで構築した。建築費も、鉄筋コンクリート造の約3割減に抑えているという。

 すてきナイスグループは2015年、建設事業本部内に木構造事業部を新設。商業施設やアパート、保育園、高齢者施設といった大型の木造建築物の受注(構造設計・施工)活動を強化してきた。「木造ゼネコン」を商標登録し、設計から部材供給、施工までグループのリソースを使い、同社独自の「パワービルド工法」や「テクノストラクチャー工法」により、コストやプランで差別化している。

 同日会見した同社代表取締役社長の日暮 清氏は「非住宅の木造建築物は新たなビジネスとして成長すると見込んで、3年前から本格的に取り組んできたことで、受注が伸びている。これだけ鉄骨が使われていても木造の優遇措置は全て使えるし、職人も確保できる。環境にも人にもやさしい木造建築物を、住宅だけでなく住宅以外の建築物にも広めていきたい」と抱負を述べた。

建物北側は斜線制限を受けるため傾斜屋根となる。可能な限り窓高さと天井高を確保するため、テクノビームの梁高を徐々に低くしている

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木造軸組工法

在来工法ともいい、木造建築物の工法の一つ。「在来工法」とは、「伝統工法」をベースとしながら、第二次大戦後の技術革新で新たに生まれた木造建築物の工法である。

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