不動産ニュース / リフォーム

2019/3/11

築40年の団地をフレキシブル家具でリノベ

リノベーション後。「シマ」の設置によって居住者が自分のライフスタイルに合わせた住まい方ができる
リノベ前。従前は間仕切りによってせっかくの2面採光も生かし切れていなかった

 大阪府住宅供給公社は8~11日、「千里山田西団地」(大阪府吹田市、総戸数356戸)でリノベーション住戸「リノベ55」を公開した。

 同団地は、1979年3月に管理開始。阪急千里線「南千里」駅よりバス7分、「亥ノ子谷」バス停徒歩7分に立地。建物は鉄骨鉄筋コンクリート造11階建て、14階建ての2棟構成。2月末時点で46戸が空き家となっている。

 同公社では、築年数が経過し間取りや設備が時代にそぐわなくなった住戸のリノベーションを通じて若年世帯を誘引、団地の活性化につなげている。2015年度から民間企業や建築家などからプランの公募を開始。今回18年度の公募プランが完成したことから、プレスや関係者向けに公開した。

 今回公開した住戸は、建築家や不動産会社で構成する共同企業体が設計・施工・あっせんを担当。従来の「DK型」の間取りではなく、居住者自らが各自のライフスタイルに適した間取りに変えられるというコンセプトで設計した。

 専有面積は全住戸55.67平方メートル。もともと3DKだった間取りは、仕切り壁をすべて取り払い、一つの大きな空間とした上で、「シマ」と呼ぶ床下収納・棚を備えた小上がりの木製家具を据え付けた。カーテンで仕切り、部屋のように扱うなど「シマ」の使い方は自由となる。

 また、間仕切りをすべて取り払うことで、南北2面採光の特徴を生かして室内を明るくした。これに加え、キッチン、トイレ、浴室など、陳腐化が進んだ設備も一新している。

 賃料は、6万1,400円から6万6,000円にアップ。同コンセプトで10戸リノベーションし、事業費は2,100万円。すでに、10戸中7戸に入居申し込みが入っているという。

「シマ」は、床下収納、大きな棚、有孔ボードで構成した壁など、収納力を高めていることも特徴

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住宅供給公社

勤労者に対する良好な集合住宅の供給等を行なうために、都道府県等が出資し設立した公法人。「地方住宅供給公社法」に基づいて設立、運営される。

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