不動産ニュース / 開発・分譲

2019/5/29

横浜の大規模団地再生を本格化/大和ハ

「(仮称)野七里テラス」完成予想図

 大和ハウス工業(株)は28日、1974年に分譲開始した大型団地「上郷ネオポリス」(横浜市栄区、開発面積45万7,613平方メートル、総戸数約900戸、分譲時名称:「大船緑ヶ丘ネオポリス」)で、コミュニティ施設併設型のコンビニエンスストア「(仮称)野七里テラス」を着工した。

 同社は、2020年3月期を初年度とする第6次中期経営計画において、1962~1999年にかけて「ネオポリス」ブランドで造成・分譲した大規模住宅団地の再生「リブネスタウンプロジェクト」を本格化。今回の店舗開設は、「上郷ネオポリス」再生の一環となる。

 栄区は高齢化率が27.9%と横浜市18区の中で最も高齢化率が高く、その中でも同エリアの高齢化率は40.3%と突出して高い。そうした状況を懸念した住民と、大和ハウスが14年から検討をスタート。「集まれる場所がほしい」という声を反映し、コミュニティ施設を併設したコンビニエンスストアの開設を決めた。

 同社が保有する「上郷ネオポリス」バス停ロータリーの土地の一角に建設。同社グループの大和リビング(株)が事業主となり、大手コンビニチェーンのフランチャイズに加盟。店舗スタッフは地元住民を雇用する。店舗面積の約半分をコミュニティ拠点として一般開放するだけでなく、同社もイベントを開催していく計画。高齢住民の買い物利便性を高めるため、移動販売車を併用していく考えだ。10月下旬に開業する予定。

 同店舗は、JR「港南台」駅より車で約10分。敷地面積589.44平方メートル(バスロータリー含む)、建物は平屋建てで、延床面積は142.57平方メートル。外観デザインは、周辺のまち並みに配慮して一般的な前面ガラス張りのデザインは採用せず、ダークカラーの大屋根とホワイトを基調とした外壁で構成する。

 また今後、買い物利便性を高めるための地域内移動カートの導入や、大和ハウスグループのリゾート事業と連携したアクティビティの提供、全国61ヵ所の「ネオポリス」自治会との交流などについても検討を進めていく。

 同社営業本部ヒューマン・ケア事業推進部部長の瓜坂和昭氏は、「かつて、当社が『夢のマイホーム』という“モノ”を提供したお客さまに、“モノ”と“コト”による『夢の続き』をみていただくプロジェクト。今回のコンビニ開設はあくまで出発点だ。既存施設のリノベーション等によるインフラ再整備など、ハード面を整えるだけではなく、さまざまなイベントやサービスの仕掛けを通じて『生涯このまちで暮らしたい』と感じてもらえるようなまちにしていきたい」と語る。

「上郷ネオポリス」のまち並み

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