(株)帝国データバンクは13日、「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2019年)」結果を発表した。調査は5月20~31日、全国2万3,169社を対象に実施。有効回答数は9,555社。
自社におけるBCP策定状況は、「策定している」が15.0%(前年比0.3ポイント増)、「現在、策定中」7.3%(同0.1ポイント減)、「策定を検討している」23.2%(同0.4ポイント増)。これらを合計しても45.5%と半数に満たず、BCPの策定が依然として進んでいない実態が浮き彫りとなった。業界別では、不動産業は7.8%と9業態中で最低に。建設は14.5%。BCPの重要性を十分に認識しているという声が聞かれた一方、重要性を理解しつつも策定に必要な時間や人材、知識などが不足しているといった意見も挙がった。
BCPを「策定意向あり」とする企業に対し、事業継続が困難になると想定するリスクについて聞いたところ、全体では「自然災害」が72.5%(同3.4ポイント増)でトップに。以下、「設備の故障」40.9%(同0.2ポイント増)、「火災・爆発事故」34.5%(同0.9ポイント減)、「自社業務管理システムの不具合・故障」34.5%(0.3ポイント減)と続いた。不動産業は、「自然災害」71.3%、「情報漏えいやコンプライアンス違反の発生」32.2%が上位となった。
BCPを「策定している」企業に対し、BCP策定の効果について尋ねると、「従業員のリスクに対する意識が向上した」が59.3%でトップに。以下、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」が35.4%、「事業の優先順位が明確になった」が32.9%、「取引先からの信頼が高まった」が24.8%と続いた。
BCP策定による効果は、特に従業員のリスクに対する意識の向上が挙げられ、業務改善に一定の効果があることが明らかになった。しかし一方で、BCPを策定していない企業も半数近く存在しており、策定が進まない要因として、策定に必要なノウハウ、物理的に人材や時間が不足していることなどが挙げられ、1年前と変わらず課題が残ったままとなっている。