不動産ニュース / 開発・分譲

2020/1/21

吹田に高齢者向け住宅核にした複合施設

「patona吹田健都」外観
「エイジフリーハウス吹田健都」室内

 パナソニックホームズ(株)は21日、高齢者向け住宅の先導的モデル事業となる複合施設「patona(パトナ)吹田健都」(大阪府吹田市)をオープンした。

 同施設は、JR京都線「岸辺」駅徒歩10分に立地。約4,100平方メートルの事業用地は吹田市の所有地。吹田市等が進める北大阪健康医療都市「健都」の2街区で、2017年、同市が高齢者向けウェルネス住宅の整備・運営を公募。同社が優先交渉権者に選定され、同市から50年の一般定期借地権で土地を借り受け建物を設計、建設、運営する。

 生活習慣病予防や介護予防を意識したウェルネス機能や地域包括ケアシステム機能に加え、多世代・多機能の居住環境、地域住民が利用できるテナント施設等を整備。新たな住宅環境のモデルとして、同社の街づくり事業の成長エンジンとする狙い。「patona」はさまざまな企業や自治体との協業による複合施設ブランドとして立ち上げたもので、吹田が初弾となる。

 建物は、鉄筋コンクリート造地上7階建て。延床面積は約9,400平方メートル。3~5階がパナソニックエイジフリー(株)が運営するサービス付き高齢者向け住宅「エイジフリーハウス吹田健都」(52室)、小規模多機能型居宅介護事業所(9室)、認知症対応型通所介護事業所(12人)などが入居。6・7階が同社運営の賃貸住宅「パークナードフィット吹田健都」(42戸)。2階には吹田市の病児病後児保育室・小規模認可保育園、児童発達支援スクール、女性専用フィットネスクラブ、歯科が入り、1階にはドラッグストアや調剤薬局が入居する。

 「エイジフリーハウス吹田健都」は、国立循環器病研究センターと連携。室内(トイレ、TVリモコン、エアコン、玄関ドア等)にセンサーを付け、外出、家電操作、睡眠等の状況をモニタリングし、日常の見守りに加え、軽度認知障害の早期発見システム・サービスの構築に向けた共同研究を行なっていく。居室は、ワンルーム・1ベッドルームで、専有面積は18~40平方メートル。賃料は、月額9万~25万5,000円。別途共益費が月額4万8,000円、サービス費が月額3万円が必要。食費(3食×30日)を含め月額22万8,000~39万3,000円。2月から入居者募集を開始する。

 「パークナードフィット吹田健都」は、ワンルーム(専有面積28平方メートル)38戸と2LDK(同59平方メートル)4戸。すでに、2LDK全戸含む27戸が入居済み。賃料は月額7万4,000~11万3,000円。

 同日のオープニングセレモニーで挨拶した同社代表取締役社長の井上二郎氏は「当社では、まちづくり事業の中でも複合再開発を重点事業と位置付けている。同じ吹田市で、当社事業所跡地の再開発『吹田SST』も進めており、同事業と連携による相乗効果も期待している。両事業により健都ならびに北大阪エリアの付加価値向上に貢献できることにやりがいを感じている」などと語った。
 また、来賓として挨拶した吹田市長の後藤圭二氏は「健都のまちづくりも、前半戦といえる土地区画整理事業が終わり、いよいよ後半戦となる。後半戦は、ベースとなるまちにどのようなアプリケーションを加えていくかということであり、その一つがこの施設」とした。

高齢者住宅は室内の各所にセンサーを設置し、入居者の生活をモニタリング。軽度認知障害の早期予防システムを構築する
賃貸住宅は20~30歳代の単身者を中心に入居が進んでいる

この記事の用語

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

規模や設備面で高齢者が生活しやすいバリアフリーな住宅(ハード)に、介護・医療などのサービス(ソフト)が付いた住まいをいう。 ハード・ソフトの基準は以下の通り。

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