不動産ニュース / 開発・分譲

2020/3/31

世田谷代田ににぎわい生む商店街開業/小田急電鉄

「BONUS TRACK」全景。写真奥が商業棟。街路を挟み4棟のSOHO棟が並ぶ

 小田急電鉄(株)は、開発を進めている「下北線路街」(東京都世田谷区)内で、「BONUS TRACK」を4月1日に開業する。

 「下北路線街」は、小田急小田原線「東北沢」駅~「世田谷代田」駅間の連続立体交差事業(地下化)に伴う線路跡地(全長約1.7km・約2万7,500平方メートル)の再開発。テラスハウスや商業施設、温泉旅館等13の施設の整備を進めている。

 「BONUS TRACK」は、小田急線「世田谷代田」駅から徒歩5分に立地。1階が店舗、2階が住戸のSOHO棟4棟と、商業棟1棟からなる、新たなスタイルの商店街として開発した。延床面積は約900平方メートル。(株)散歩社が施設運営やテナント誘致を行なう。

 SOHO棟は、1階の店舗(5坪)と2階(5坪)の住居をセットで貸し出し、“職・住・遊”が近接したライフスタイルを提案する。住居はシャワーブース、IHコンロやシンクを備えたキッチンを完備。コンパクトなスペースながら、ロフトを設けることで居住性を高める。1棟につき、1~3店が入居する長屋形式で、全10区画。現在9区画のテナントが決定している。

 地域に根差した店や、社会課題の解決やカルチャーの発信に取り組む事業者など、個性的なテナントが入居する。周辺エリアで空き家の増加、住人の高齢化が課題となっていることから、千葉県松戸市で空き家の仲介や空き家を生かしたまちづくりに注力している不動産会社「omusubi不動産」の2号店も誘致。同社は、周辺に店を構えたいというショップオーナーに向けた空き家の紹介、売買・賃貸仲介、リノベーション事業、会員制のコワーキングスペース「BOUNUS TRACK MEMBER’S」の運営を展開する。コワーキングスペースでは、商品開発が行なえるキッチンや販売ブース等も用意し、新たなビジネスに取り組む会員のサポートや、施設のにぎわい創出に寄与する。利用料金は月額3万5,000円。

 商業棟にも「BOUNUS TRACK MEMBER’S」が出店。その他、発酵食品の販売等を行なう「発酵デパートメント」、ビールを飲みながら本が読める「本屋B&B」などが出店する。

 小田急電鉄生活創造事業本部開発推進部課長の橋本 崇氏は「周辺エリアでは賃料が高騰し、個人事業主は物件を借りにくく、チェーン店が増加している。そこで、SOHO棟は1区画をコンパクトにし、賃料を相場より3~5割割安の月額15万円程度とした。下北沢のにぎわいを引っ張ってくるのではなく、同施設が世田谷代田の中心地となりエリアににぎわいをもたらす存在となることを期待したい」などとコメントした。

「BONUS TRACK」入り口に位置する棟に入居する「omusubi不動産」の店内。コワーキングスペースには広いキッチンスペースを用意し、商品開発やイベントに活用してもらう
SOHOテナントの一つ、フレッシュジューススタンド「Why__?下北沢」外観

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