(一財)日本不動産研究所は(JREI)26日、42回目となる「不動産投資家調査」(2020年4月時点)の調査結果を発表した。アセット・マネージャーやアレンジャー、ディベロッパー、年金基金など193社が調査対象で、回答社数は139社。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、影響が大きかったアセットが「ホテル(宿泊特化型)」で、東京の期待利回りは4.5%(前回比0.1ポイント上昇)。なお、「札幌」5.3%(同0.1ポイント上昇)、「大阪」5.0%(同0.2ポイント上昇)「京都」5.0%(同0.2ポイント上昇)、「福岡」5.1%(同0.1ポイント上昇)、「那覇」5.4%(同0.2ポイント上昇)と、軒並み上昇した。
観光インバウンド需要が市場をけん引してきた「都心商業施設」は、「東京」を含むほぼすべての地区で前回比「横ばい」となり、不動産投資家のリスク認識や様子見姿勢が明らかになった。
Aクラスビル(東京・オフィスビル)の期待利回りは、「丸の内、大手町」で3.5%で5期連続の横ばい。同じく「虎ノ門」(3.8%)、「西新宿」(4.0%)、「渋谷」(3.8%)、「池袋」(4.2%)も横ばいに。「日本橋」(3.7%)、「赤坂」(3.8%)、「六本木」(3.8%)、「港南」(3.9%)は、前回比0.1ポイントの下降。
賃貸住宅1棟(ワンルームタイプ)は、「横浜」(4.9%)と「大阪」(4.8%)が前回比0.1ポイント低下したが、東京・地方含めてその他の地域は横ばいが多くを占めた。
また、今後1年間の不動産投資に対する考え方については、「新規投資を積極的に行なう」の回答は86%と前回比で9ポイント低下。一方、「新規投資を当面、控える」が18%と前回比13ポイント上昇している。