不動産ニュース / 政策・制度

2020/6/30

住宅広告に「光熱費」表示。委員会が初会合

 国土交通省は29日、「住宅の省エネ性能の光熱費表示検討委員会」(委員長:田辺新一氏(早稲田大学創造理工学部建築学科教授))の初会合をウェブ会議で開催した。

 昨年11月施行された改正建築物省エネ法では、建築士から建築主への省エネ性能への適否等の説明義務制度や住宅トップランナー制度の賃貸住宅への拡大などが盛り込まれたことから、消費者の省エネ性能に対する関心を高めていくことが不可欠とし、基本的方針に「想定光熱費情報を含めた省エネ性能の表示を促す方策の検討を進める」とされた。そこで委員会では、住宅事業者や住宅情報提供サイト運営事業者等の意見を踏まえ、「光熱費換算表示」の在り方を検討し、流通段階を含めた導入・普及の課題を整理する。検討対象は、新築の分譲マンション、分譲戸建住宅、賃貸住宅とし、既存住宅は今後の継続課題とする。

 会合では、池本洋一委員((株)リクルート住まいカンパニー SUUMO編集長)が、不動産情報サイト事業者連絡協議会が同省の補助事業として実施した住宅情報提供サイトの光熱費換算表示に関する調査結果を発表。すでに光熱費表示が実践されている海外での事例調査やモデル光熱費の計算方法、ポータルサイトでの表示についての素案、モデル光熱費情報の伝達方法についての考えを示した。同氏は、海外での調査を踏まえ「省エネ性能の広告表示促進により、消費者への認知拡大は図れる」とした。また、「段階表示よりも光熱費表示のほうが消費者理解は得やすい」とし、「光熱費を可視化しないと、分譲価格や賃料にも転嫁できない」とした。

 同省は、光熱費表示の検討に当たって「計算方法」「表示方法」「売電分の扱い」「燃料単価の設定」「燃料単価の改定」「住宅提供情報サイトの広告画面上の取り扱い」「光熱費換算値の名称」を論点とするとした。計算方法については、建築物省エネ法に基づく設計一次エネルギー消費量(建築研究所のウェブプログラム)と統一の各料金単価から光熱費換算値を算出するとした。表示方法については、換算値単独ではわかりづらいことから★マーク等との併記も検討する。住宅情報提供サイト上での表示については、物件一覧での表示の有無や年額表示とするか、月額表示とするか等を検討。名称については「光熱費換算値」のほか「参考光熱費」「目安光熱費」「エネルギーコスト」等、10つの案が示された。

 委員・オブザーバーからは「燃料単価を全国平均とすると地域の実情に合わないケースが出てくる」「推計値を実績と混同され不当表示に問われないか」などの指摘や、「★ではBELS等と混同されわかりづらい」「子供にもわかるくらいわかりやすい表示としなければ」といった意見もあった。

 同省では、今後2回の委員会を経て10月に光熱費換算値に係るとりまとめを公表。2022年にも新築マンションから導入を開始したい方針。

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建築物省エネ法

建築物の省エネルギー性能を向上するための措置を定めた法律。正式名は「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」で、2015年7月8日に公布され、施行日は2017年4月1日である(一部は2016年4月1日施行)。

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