オリックス不動産(株)は16日、10月2日に開業する温泉旅館「箱根・強羅 佳ら久(からく)」(神奈川県足柄下郡、総客室数70室)を報道陣に公開した。
箱根登山鉄道「強羅」駅徒歩3分に立地。建設地は企業の保養所跡地で2014年に取得。眺望や棟間の確保のため隣接地等も取得しており、敷地面積は約7,200平方メートル。建物は、地上3階地下2階建て2棟、地上2階地下1階建て、地上4階地下1階建ての4棟で構成。延床面積は約1万平方メートル。同社が開発から運営まで手掛ける温泉旅館では、17年開業の「箱根・芦ノ湖 はなをり」(神奈川県足柄下郡)に次ぐ2件目となる。
館内には、2種類の展望露天風呂や3つの貸切風呂、2つのレストラン、ゲストラウンジ、テラス、スパなどをゆったりと配置。ゲストごとにスタッフが施設での「過ごし方」をヒアリングし、オーダーメイドのおもてなしを提供する。ソーシャルディスタンス確保のため、レストランはテーブル間隔を広げたほか、客室から付帯施設の予約や混雑状況を確認できるシステムも導入した。
客室は全7タイプで、全室露天風呂付き。広さ約56平方メートル。客室内は和紙などの日本の伝統的な素材を使用し、強羅の自然風景を取り込んだ設え。相模湾までが見通せる眺望が味わえる東側の客室棟最上階の5室は室内グレードも高めた「佳ら久ルーム」とした。
7月1日から予約受付を開始。宿泊料金は、1泊2食付き、2名1室で8万3,600~16万7,200円。客単価5万円台を目指す。同日会見した同施設支配人の藤井育郎氏は「当面の目標である稼働率50%はクリアできている。2つのレストラン、展望露天風呂など連泊でも館内でゆったりと楽しんでいただけると思う。お客さまの思い思いの過ごし方を実現するおもてなしをしていきたい」などと語った。
また、運営を手掛けるオリックスホテル・マネジメント(株)取締役社長の似内隆晃氏は、稼働を再開した6月以降の稼働状況について「施設によってばらつきがあるが、旅館は50~60%、ホテルで20~30%まで回復してきた」とした上で「先行きの見通しがつかない中で、新規プロジェクトを進めるという判断はできない。ただ、国内だけでも一定の需要はある。それを見定めながら、今後どのようなポートフォリオを組んでいくかを考えていきたい」などと抱負を語った。