不動産ニュース / 調査・統計データ

2021/1/14

ABWは創造力・モチベーション向上に効果的

 三井デザインテック(株)は14日、「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)の環境と働き方がもたらす効果に関する研究」の結果を公表した。

 コロナ禍によりリモートワークが増加する中でABWが注目を集めていることを受け、東京大学大学院経済学研究科の稲水伸行准教授と共同で実施したもの。三井不動産(株)ビルディング本部の社員200人を対象に、Webアンケートと、(株)Beacappが提供するビーコン(Bluetooth Low Energyの信号を発信する端末)センサーを活用した位置情報アプリBeacapp Here Proによる行動データを取得、分析した。アンケート設問は日本よりも早くABWが広がりを見せているフィンランドの国立労働衛生研究所が作成したABWの効果を測定するアンケートを基に作成した。

 調査では、「個人の仕事」、「チームの仕事」、「コミュニティ形成」の観点から、ABWによって得られる効果を測定した。「個人の仕事」については、ABWにより「リラックスした雰囲気」を創出した場合、「ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態を意味する概念)」や「仕事のやりがい」の面で高い効果が見られた。
 「チームの仕事」については、ABWにより「効率的に協業できる環境」を整えた場合、仕事のやりがいや組織の一体感、仕事の生産性等といった点で効果的だった。
 「コミュニティ形成」については、ABWで「コミュニティの一員と感じやすい環境」を整えた場合、組織の一体感や仕事のやりがい、部署内の協調性が高まり、「気軽に相談できる環境」を整えると、仕事のやりがいやウェルビーイング、仕事の生産性に効果が見られた。
 こうした結果を受け、同社では個人とチームのパフォーマンス向上や、コミュニティ形成のためには、各活動に適したABW環境を活用することで、効果が得られるとした。

 オフィスの滞在時間と使用できるエリア数で、対象者を4つの群に分け、「クリエイティビティ」や「ワーク・エンゲイジメント」(仕事に対してのモチベーション)を測定。すると、オフィスの滞在時間が長く、多くのエリアを使用しているワーカーほどクリエイティビティ、ワーク・エンゲイジメントが高いという結果が出た。一方、オフィスの滞在時間が長く仕様できるエリアが限定されているワーカーは、クリエイティビティが最も低かった。

 また、ABW環境のワークスタイルにおいて、具体的にどのような行動(時間・場所・人との遭遇)が効果に結びついているのかを掘り下げて検証したところ、総合職は、オフィスの中で多くの人と遭遇することがクリエイティビティの向上につながるという結果に。管理職は、オフィス内のさまざまなエリアを活用し、異なる組織の人と接することがクリエイティビティの向上につながることが分かった。

この記事の用語

ABW

雇用されている人が自分自身で働く時間と場所を決定する働き方。英語のActivity Based Workingの略語。

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