不動産ニュース / 開発・分譲

2021/4/2

マンションに特化した無人ストアを開発/日鉄興和不

「Store600」。右が日鉄興和不動産の猪狩氏、左が600代表取締役の久保 渓氏

 日鉄興和不動産(株)は2日、オフィス向け無人コンビニを展開する600(株)と共同開発したマンション専用無人ストア(「Store600」)を、同社分譲マンションへ導入すると発表した。

 日鉄興和不動産は2019年、「リビオレゾン板橋本町ステーションサイド」(東京都板橋区)の付加価値向上を目的に、600が展開するオフィス向け「無人コンビニ600」を導入。「無人コンビニ600」は、3,000種類以上の商品ラインナップから、設置場所のニーズに合わせて商品を提供。クレジットカードを用いて、キャッシュレスで商品を購入することができる。導入後、居住者から一定の評価を得られたことから、他物件への展開を目指し、20年3月に資本業務提携を締結していた。

 コロナ禍で居住者のライフスタイルやニーズが多様化していることも踏まえ、原則、新築マンション全物件に導入する方針で、新サービスの企画を共同で推進。マンションへの設置で課題となっていた、高額物件にも見合う「意匠性」、オフィスとは用途が違う多品種・多数の「商品ラインナップ」、一定でない温熱環境が要因となる結露等「設置環境」をクリアするべく、マンション専用の新たな筐体「Store600」を開発した。

 新筐体は、マンション内のワークスペースやカフェスペース、キッズスペースといった多様な共用部に馴染むよう、インテリアに自然に溶け込み、高級感も併せ持つ意匠性を追求。より簡単に購入できるよう、専用のアプリを使い解錠・決済・履歴の確認などができる。購入商品の検知方法をQRコードを用いたものに変更することで、より多くの商品点数を扱えるようにした。冷蔵機能を廃止し常温使用とすることで、設置環境により結露が発生する課題を解消。補充オペレーションの難易度が下がり、管理人による補充や外部サービサーによる補充も可能とした。

 マンションの戸数や特徴に合わせて導入を進める。ファミリー・高額物件「リビオ」「グランリビオ」シリーズでは、ラウンジ、キッズコーナーなどの共用施設内で、用途に合わせた商品、パートナー企業とのタイアップ商品などを提供。コンパクト物件「リビオレゾン」シリーズでは、日用品を中心に、ワークスペース向けにコーヒーマシン等との併設も検討する。学生マンションなどでは、今後開発予定の冷凍対応筐体を活用した食事メニューの提供なども予定している。

 現時点で3~4月に竣工し引き渡しを開始した約10棟に導入済み。今後は、年間20台程度、新たに開発するマンションに設置していく計画。当初は首都圏を中心に、21年中には関西地区や九州地区での設置も開始する。約200戸程度に1台がスムーズに導入できる目安とするが、同社では50戸程度のマンションから導入していく考え。管理組合に提案するなど既存物件への導入も同時に進めていく。商品ラインナップについては、商品価格が数千円程度を上限に、当初は日用品および地方ショップの高級スイーツ等コンビニでは手に入らない商品を中心に、社内スタッフによる選定、居住者アンケートなどにより商品構成を検討していく。

 2日の発表会で挨拶した同社常務執行役員住宅事業本部長の猪狩甲隆氏は、「マンションの付加価値向上、住民間のコミュニティ形成、ニューノーマルへの対応、中でもコミュニティ形成に非常に役立つのではないかと期待している。無人ストアは、高機能自販機より商品形状などの制限が少なく多様な商品を提供することができる。マンションを販売して終わりではなく、その後の生活も楽しんでもらえるサービスだと考えている」などと抱負を述べた。

キッズルーム内への設置を想定した商品ラインナップ。筐体のバリエーションは現時点で1種類のみ

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