不動産ニュース / その他

2021/10/8

「人の死の告知に関する指針」、業界各トップがコメント

 国土交通省が8日に公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を受け、業界団体のトップが以下のコメントを発表した(順不同)。

■(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 坂本 久氏
■(一社)全国賃貸不動産管理業協会 会長 佐々木 正勝氏
■(公財)日本賃貸住宅管理協会 会長 塩見紀昭氏

■(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 坂本 久氏

 平成31年4月に策定された「不動産業ビジョン2030~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~」では 、2030年に向けた重点政策課題の中に、既存住宅市場活性化実現の阻害要因として、いわゆる「心理的瑕疵」を巡る課題の解決をあげていた。
 従来、不動産取引における人の死の告知基準については、裁判例などはあったものの、分かりやすい明確な基準がないことから、本会においては実務に即した有効なガイドライン策定などを国土交通省に対して長年要望してきた。
 その一環として、本会の不動産総合研究所の「住宅確保要配慮者等の居住支援に関する研究会」報告(令和2年3月)において、今後進展する高齢社会の高齢者等に対する賃貸住宅確保の観点から、住宅内における自然死は通常ありうるものとした上で、「孤独死」をもって「事故物件」と考えることはできないと整理し、孤独死については、原則として説明・告知は必要ないとし、国土交通省に意見具申した。
 こうしたことを踏まえ、国土交通省においては、令和2年5月より「不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会」を設置し、本会では佐々木常務理事が委員として参画した 。
 本ガイドラインについては、売買取引、賃貸取引とも自然死や日常生活上の不慮の死については原則として告知が不要とされた。また、他殺・自死・特殊清掃が行なわれた場合でも賃貸取引は原則的におおむね3年経過後は告知が不要とされるなど、取引実務面からも一定の基準が示されたことにより、適正な情報提供がなされ、取引関係者や地域関係者等の利益の確保が図られ、不動産流通促進にも資するものと思われる。
 本会においても、本ガイドラインについて会員に周知徹底を図り、一層の安全安心な取引の推進に努めていく。

■(一社)全国賃貸不動産管理業協会会長・佐々木 正勝氏

 本日10月8日、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が国土交通省より公表されました。私も本ガイドライン作成における検討会委員として、現場での経験を踏まえ多くの意見を発言させていただきました。今回の公表によって安心、安全な不動産取引の推進が、より一層図られるものと思われます。
 賃貸借契約、管理の現場においても、本ガイドラインの趣旨を十分に理解した上で、貸し主・借り主等に対して適切な対応が図れるよう周知を行なってまいります。
 今後も、会員の皆さまが直面する現場における諸課題に対する支援を、これまで以上に充実させてまいりたいと思っております。

■(公財)日本賃貸住宅管理協会会長・塩見紀昭氏

 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインが公表され、一定の基準が示されたことは、賃貸住宅管理業界にとりましても喜ばしいことです。
 賃貸住宅管理業の現場では、賃借人が入居後に「人の死」を知りトラブルとなることがありますので、告知に関し一定の考え方が示された本ガイドラインは、トラブル防止等に寄与すると思われます。賃貸住宅管理業界としては、賃貸人等から的確に情報を収集し、宅建業者からの照会に対し、正確に伝えていくことが求められるので、その啓発に努めていきたいと思います。

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