不動産ニュース / 開発・分譲

2021/10/26

流山で「働く場所から住まいまで」支援する物流施設

「DPL流山IV」外観

 大和ハウス工業(株)は、開発を進めていたマルチテナント型物流施設「DPL流山IV」(千葉県流山市)を完成、11月1日に稼働する。10月26日には、開業を前にプレス向けの内覧会を開いた。

 同社は、流山市においてSPCを設立し、4棟のDPLを開発。すでに「DPL流山I」を2018年4月に、「III」を20年10月に稼働している。「II」は23年5月に竣工する計画。

 今回完成した「IV」は同社の物流施設では最大の延床面積32万2,299平方メートルで、東日本の物流施設の中でも最大級の1つだという。常磐自動車道「流山IC」から約2.5km、首都圏から東日本全域の物流集約拠点としての機能が期待できる立地。敷地面積は13万5,592平方メートル、プレキャスト・プレストレストコンクリート造地上5階建て。北棟と南棟の2棟構成で、1フロアの延床面積は約7万7,000平方メートルと、国内屈指の広さを持つ。

 周辺環境に配慮するため、敷地内の周辺道路沿いにはサクラやツツジ、メタセコイアなどを植栽したほか、エントランス前には地域住民にも開放する憩いの空間「四季の広場」を整備した。外観は色の濃淡の違う外壁材をモザイク調に張り分けたのに加えて、外壁にルーバーを設置することで、大型物流施設にありがちな圧迫感を解消した。

 従業員や地域住民が利用できる368席のカフェテリアやコンビニエンスストア等も整備。従業員向けのシャワーブースも用意し、従業員満足を高める仕掛けを組み込んだ。

 DPL流山全体では6,000人規模、IVだけで1,500人規模の雇用を見込んでおり、最大60人を収容できる保育施設を5階に設置した。施設面積は612平方メートル、0~未就学児が対象で、屋上には園庭と送迎用の駐車スペースを設けている。将来的には、施設内の一部を学童保育施設のスペースに改装することも視野に入れている。「流山市は、充実した子育て環境が魅力でもあり、小さな子供を持つ母親が多いまちでもある。そうした母親が子供の近くで働ける環境を作っていく」(同社取締役常務執行役員建築事業本部長・浦川竜哉氏)。

 また、物流業界における人手不足解消のため、DPL流山全体で子育て中の就業者が複数企業で働ける「マルチ派遣」を導入しており、テナント企業の繁忙期や繁忙時間に人材を確保できるように調整する。さらに、グループの大和リビング(株)が同施設に通勤しやすい賃貸住宅情報を提供して斡旋。入居時の諸費用を優遇するなど、「働く場所から住まいまでサポートし、シングルマザーも働きやすい環境を整える」(同氏)。

 すでに、7割程度が契約済みで、「申し込みベースではすでに床面積を超える要望があり、契約内容等を調整し、近いうちに満床稼働となるはずだ」(同氏)。1フロアの面積が広いことから、ロボットを活用した物流を志向するEC系企業の入居が決定しており、残りの床についても類似業種からの引き合いが強いという。

奥行約200m、幅約300mという広大なスペースを特徴としており、EC系企業からの引き合いが強いという
エントランス前の「四季の広場」は、地域住民が気軽に入ってこられるよう、ベンチ等も用意する
敷地内の保育施設では最大60人の子供を預かることができる

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