不動産ニュース / 団体・グループ

2022/3/11

CN実現に向け省エネ、木造化促進等に注力/不動協

 (一社)不動産協会は11日、理事会を開催し、2022年度の事業計画を決定した。

 政策活動では、グリーントランスフォーメーション(GX)を推進する環境への取り組み、アフターコロナを見据えた都市再生、多様化するニーズを踏まえた安心安全で豊かな住生活の実現に注力する。

 50年カーボンニュートラル(CN)に実現に向けたGX政策が本格化し、建築物分野でも排出量削減に向けた政策強化方針が示された。それを受け、同協会では、「GXの先導的対応」と「豊かなまちづくり」を同時に達成する実効性の高い脱炭素施策を推進。30年の新築建築物に求められるZEH・ZEB水準への早期実現、既存ストックの改修等による脱炭素化など、省エネ政策強化へ対応すると共に、建築物における再エネ導入・利活用促進、中高層建築物における木材活用、その基盤づくりにも取り組んでいく。

 また、安心安全で豊かな住生活の実現に向けて、環境性能が高い良質な住宅ストックを形成・循環させると共に、耐震性に劣る老朽マンションの建て替え・改修を促進し、子育て世帯・若者世代への支援措置の充実も図っていく。さらにDXを推進し、オンラインによる住宅取得の手法や契約関係手続の合理化、その普及促進も支援する。そのほか在宅勤務等の新しい働き方に対応するため、テレワーク環境整備を目的としたワークスペース設置や通信環境整備への支援策の拡充についても働きかけを行なっていく。

 税制改正要望に関しては、長期保有土地等にかかわる事業用資産の買換特例や、都市再生促進税制、土地の売買等にかかわる登録免許税の特例措置等の重要な期限切れ項目について要望する。GXやDXの推進や経済社会構造の変化等に伴う課題に対した環境、都市、住宅等の政策推進に関しても、必要な改正要望をとりまとめる。

 理事会後の記者懇談会で、同協会理事長の菰田正信氏は、「コロナ禍で依然厳しい経済状況が続いているが、その一方で、DXが進展し価値観も多様化。不動産業に求められる役割が大きく変わり、リアルとデジタルの組み合わせを最適に行なう取り組みが必要となる。また、国をあげてGXが推進される中、まちづくりや住まいを通じた脱炭素の取り組みも求められる」などと話した。

 また、ロシアによるウクライナ侵攻の影響については「エネルギー価格や原材料価格のさらなる高騰により、先行きが見通しにくい非常に不安定な状況となった。当協会で一番大きな影響は建築コスト。半年、1年後に発注するものについて、コストアップは必至で、エンドユーザーにどこまで転嫁できるかが最大の課題になるだろう」などとコメントした。

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