住友林業(株)、(株)熊谷組は27日、中大規模木造建築ブランド「with TREE」で、「(仮称)KAGAプロジェクト」(札幌市中央区)を着工した。
両社は2017年に業務・資本提携。8つの分野で分科会を立ち上げ協業に取り組んできた。中大規模木造建築分科会は、21年に同ブランドを発足。住友林業の森林・木材に関わる知見と、熊谷組の鉄骨・鉄筋コンクリート造の大規模建築に係る知見を掛け合わせ、資材調達から建築コンサルティングまでを展開、中大規模建築の木造化・木質化を推進している。「(仮称)KAGAプロジェクト」は、両社が共同事業体で施工する初めての物件となる。
敷地面積約139平方メートル、延床面積は約1,102平方メートル、鉄骨造地上10階地下1階建て。1・2階がカフェ、3~8階がオフィス、9・10階が住宅となる。7~10階には木質ハイブリッド集成材を採用。1時間耐火で大臣認定を取得する「鉄骨内蔵型」の耐火集成材で、火災時に鉄を熱から保護する。梁には住友林業が開発した梁貫通技術を導入、直接配管を貫通し、建築コストおよびデザイン上の制約を少なくする。
柱と梁の被覆木材には北海道産のカラマツを使用。構造躯体に使用する木材は39.9立方メートル、炭素固定量は31.9t(CO2ベース)で、敷地面積の約7.2倍に当たる広さのカラマツの森が吸収するCO2量に相当する。
竣工は23年6月の予定。