不動産ニュース / 開発・分譲

2022/8/12

CLT賃貸住宅第1号を竣工/大東建託

独自のCLT工法を採用した4階建て賃貸住宅

 大東建託(株)は、独自のCLT工法を採用した国内初の規格化・工業化されたCLT賃貸集合住宅第1号棟(千葉県船橋市)を竣工したと発表した。

 CLTはコンクリート並みの強度と木材の軽さを併せ持つ木質建材として注目されているが、実用化には耐熱性や施工性、事業性、工期など課題も多い。そこで同社は、施工現場での耐火被覆材の施工を省略できるパネル化が可能な耐火外壁を採用、一般的なCLT工法に用いられるビス留めより作業時間が短縮でき施工品質の均一化にもつながるドリフトピン仕様の内蔵型接合部金物を用いるなど、作業省力化・施工品質の均一化に配慮した独自のCLT工法を開発した。

 千葉県船橋市において、初弾物件を2019年に着工、22年7月28日に竣工した。敷地面積約124平方メートル。オリジナルCLT工法地上4階建て、総戸数7戸(2階はオーナー邸宅)。延床面積299平方メートル。躯体には、CLT材、集成材、合板など合わせて85平方メートルの国産材を使用。輸入木材も含めると木材使用料は124平方メートルとなり、一般家庭28世帯分の年間CO2排出量に当たる84(t-CO2)の「炭素貯蔵効果」を持つ。

 今後は同物件において、壁面、床上1m、0.1mの3ヵ所の温度・湿度計測を行なうほか、部屋の内部に断熱資材を付与し、断熱仕様の違いによる居室間の温度差データを収集するなどして温熱環境を検証。居室間温度差や室内上下間の温度差を抑えた健康住宅の開発に活用する予定。

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CLT

木材板を積層接着した厚型のパネル。英語のCross Laminated Timberの略で、和訳は「直交集成板」である。 CLTは、板の層を繊維方向が直交するように交互に張り合わせたもので、高い寸法安定性、優れた断熱性があるほか、CLTを柱や梁とする構造は軽量で耐震強度を確保できるとされている。

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