西松建設(株)は16日、(株)ファイバーゲート(代表取締役社長:猪又將哲氏)と共同で、共同住宅の工事現場における鍵管理システムを開発した。
工事現場では、内装工事中、侵入者により室内の仕上げ等が傷付けられることがないよう管理する必要があるため、現場技術者は毎日、膨大の数の玄関扉の鍵の解錠・施錠を行なっている。また、作業員への急な貸し借り等、移動に伴う作業時間のロスや鍵の閉め忘れといったトラブルも発生する可能性もある。
同システムは各住戸の玄関扉にスマートロックを取り付け、専用のアプリで管理できる仕組み。スマートロックにより操作された鍵の開閉状況Wi‐Fiルーターを経由してIoTプラットフォームに送信され、その情報がIoTデバイス集中管理サービスのクラウドと連携。現場技術者がスマートフォンやPC等から専用のアプリケーションを開いて、開閉情報を確認できる。また、現場技術者が現在作業員から特定の住戸の鍵の解錠依頼を受けた際にも個別住戸の開閉も可能。さらに建物内でフロアごとに分けての開閉操作や、全住戸の鍵を一斉に解錠・施錠することもできる。
同社は、同システムの導入により鍵の開閉情報が可視化され、鍵の閉め忘れ防止や現場への移動時間の削減等が見込まれることから、現場技術者の鍵管理業務の負担の軽減や、省人化・省力化が期待できるとしている。また、現場作業員への物理的な鍵の貸与が不要となることから、鍵の閉め忘れを防止できセキュリティ強化にもつなげていく。
2022年度は、同社の工事現場で導入・検証を行ない、運用上の課題を抽出。次年度以降は検証結果を踏まえ、さまざまな現場で適用できるよう機能拡張を検討しながら検証し、業界全体で使用できるシステムにしていく予定。