森ビル(株)は10日、経済産業省が公募した令和4年度「海外における起業家等育成プログラムの実施・拠点の創設事業」の委託先に選出され、米国・シリコンバレーにビジネス拠点を創設すると発表した。
日本のイノベーション創出の課題として、起業の際に世界規模でのビジネス展開を目指す企業が少なく、ユニコーン企業(起業してから10年以内、企業価値評価額10億ドル以上で未上場のベンチャー企業)が生まれづらいこと、また、世界でビジネス拡大を試みるも、シリコンバレーをはじめとする世界の先端地域のキーパーソンとのネットワーク不足で、資金調達、人材確保、販路拡大などが困難であることが挙げられる。
同事業では、これらの課題を解決するため、(1)米国西海外等における起業家等育成プログラムの実施、(2)米国東海岸および世界各地における起業家等育成プログラムの実施およびグローバルイベントの開催、(3)シリコンバレービジネス拠点の創設を同時に推進する。
同社は2020年より、「虎ノ門ヒルズ」において、大企業の新規事業創出を支援するインキュベーションセンター「ARCH」を運営。コミュニティマネージャーが常駐し、起業家を招いたセミナー(年230回以上)や、事業創出に向けたマッチング支援(年360件以上)等を実施しており、大企業約120社・約900人に加え、会員以外のスタートアップ企業や自治体も巻き込んだスタートアップコミュニティへと成長している。
新たに創設するシリコンバレー拠点においても、コミュニティマネージャー等を配置し、日本のスタートアップ企業と海外の企業・投資家とのネットワーク構築に注力する。また、「ARCH」との連携による相乗効果も視野に入れる。