不動産ニュース / 開発・分譲

2023/4/24

横浜戸塚で国産天然素材用いた保育施設/ナイス

「リタ・スクール」外観。左がキッチン設備等を備えた土間空間、右奥が保育室棟「八角堂」。敷地の高低差を生かして土間空間と八角堂の間に段差を設け、ゾーニングを図った
「八角堂」内観(2階キャットウォークから俯瞰)。2階建ての保育施設の場合、エレベーターの設置等が義務付けられるが、1階部分のみを保育施設とすることで課題をクリア。開放的な空間を実現した

 ナイス(株)は21日、同社が施工を担当した保育施設「リタ・スクール」(横浜市戸塚区)の完成見学会を開催した。

 同施設は、JR東海道線・横浜市営地下鉄「戸塚」駅より徒歩約15分に立地。建築面積約245平方メートル、延床面積約340平方メートル、木造2階建て。設計事務所は小野建築設計室。事業主である大覚寺派真言宗宝蔵院からの「自然素材を用いた空間を」という要望を受け、躯体・内装材などに無垢の杉材や柿渋など国産の自然素材をふんだんに使用した。

 中核となるのが保育室棟「八角堂」。正八角形の特徴的な形状で、天井高9m、2層吹き抜けの開放的な空間とした。床材には宮崎県産の飫肥杉を用いた同社木材商品「Obired(オビレッド)」を採用。厚さを30mm確保することで熱伝導率を低くし、快適性を高めている。赤身部分のみを使用し色調の統一感にも配慮しており、天井壁面仕上げには抗菌・消臭力に優れた柿渋漆喰を使用した。

 そのほか、1階には、カウンター天板とキッチン設備を備えた土間空間や幼児用トイレ、ウッドデッキ等も完備。2階は、貸室2室、ルーフバルコニー、八角堂を回遊できるキャットウォーク等で構成し、貸室の床材には、針葉樹の表層を圧縮して耐久性を高めた同社木材商品「Gywood(ギュッド)」を採用した。すでに2室ともに学童保育事業者の入居が決まっている。

 躯体には24立法メートル、内装材には11立法メートルの国産材を利用した。これにより炭素貯蔵量は69t-CO2と、189人が1年間の呼吸で吐き出すCO2に相当する。

 同社では2023年4月1日付で組織改編を実施。中大規模建築物の木質化をさらに推進すべく、資材事業本部木造建設事業部を「木材特建事業部」に改称し、「木質化推進室」を新設した。再編後初の木質化事例である同施設を皮切りに、今後も建築物の木質化のトータルサポート等に注力していきたい考え。

1階の土間空間。「学びカフェ」と称し、幼児の「食育」を行なうスペースとして活用する。ゆくゆくは地域住民に開放する予定
2階ルーフバルコニー。床材には宮崎県産の飫肥杉を採用したほか、大型のバーベキューグリル(左)も設けた

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