不動産ニュース / 開発・分譲

2023/6/6

水害対策特化の賃貸住宅初弾が完成/大東建託

1階が鉄筋コンクリート造、2・3階が木造の「niimo」外観
1階は階段にも打ち放しコンクリートを採用。浸水後の早期復旧が比較的容易となる

 大東建託(株)は6日、水害に特化した防災配慮型賃貸住宅「niimo(ニーモ)」の初弾の完成現場見学会を開催した。

 日常時の暮らしが非常時の備えにもなる「フェーズフリー」がコンセプト。1階が鉄筋コンクリート造、2・3階が木造の2×4工法を採用している。神奈川県綾瀬市のオーナーが所有する土地に建設。敷地面積169.6平方メートル、工期は約5ヵ月。オーナーの息子夫婦の入居が決まっている。賃料は約12万円。

 1階は、浸水した場合でも早期の復旧が望める打ち放しコンクリート仕上げの鉄筋コンクリート造。屋根付き駐車場、平時は趣味を楽しむ空間やテレワークスペースとして利用できるアネックス(離れ)を配置している。室外機を2階に設置し、水没による破損を回避。浸水推定高さ1.5mより高い位置でコンセントを設置することで、災害時の使用も可能とする。

 2階のLDKは、多くの開口を設け明るく開放的な空間に。ダイニングの床は、停電時に蓄熱体として期待できるタイル仕上げとしている。備蓄倉庫も設けた。2階から3階へはストリップ階段を採用。3層にわたり吹き抜けとし、水害時に湿気を帯びた建物を早期に乾燥させることができる。
 3階には、水害時にボートやヘリコプターなどの救助スペースとして活用できるルーフバルコニーを設置。窓を多く設け、停電した場合でも月明りが差し込むようにした。

 兵庫県明石市で第2弾物件を建築中。水害ハザードエリアのオーナーを中心に、同賃貸住宅を訴求していく。

2階から3階へはストリップ階段を採用。3層にわたり吹き抜けとしている
水害時にボードやヘリコプターなどの救助スペースとして活用できる3階のルーフバルコニー

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