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2023/6/16

ツーバイフォー協、中大規模施設系の建築促進へ

「中大規模の施設系ツーバイフォー建築を促進する」と話す、池田会長

 (一社)日本ツーバイフォー建築協会は15日、2023年度の定時社員総会を開催し、23年度事業計画などを報告した。

 23年度は、(1)技術の研究開発および普及の推進、(2)技能者の育成・確保、(3)リフォーム事業の推進等を進めていく。(1) においては、22年6月に成立・公布した「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」等への対応として、省エネ基準等適合義務化、建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し、中大規模建築物の木造化を促進する防火規定の合理化、構造計算に係る告示改正等に対し、必要な対策を講じるとした。

 (2) では、建設キャリアアップシステムおよび特定技能外国人の受入制度について、建築大工に関して会員が円滑に利活用できるよう関係団体と連携を図りつつ適正な運用等を確保に努めると共に、24年4月完全施行の働き方改革関連法に、的確な対応ができるよう会員への情報提供等を実施する。(3)は、ツーバイフォー住宅のリフォーム事業に新規参入する事業者向けに、営業支援の講習会および技術ポイント説明の講習会の新設するとした。

 また、改選期に伴い、総会で新役員を選任。その後開催の理事会にて、会長に池田 明氏(三井ホーム(株)代表取締役社長)を再任した。総会後に会見した同氏は「22年度の新設住宅着工調査によれば、ツーバイフォー住宅は約1万2,000戸で、持ち家においては11.7%を占めた。これは過去最高のシェアで、ツーバイフォー工法の品質・性能についてユーザーから高い信頼を得られた結果であると考える。また、会員向けの調査によれば、中大規模の施設系ツーバイフォー建築が年々増加傾向にある。今後はさらに建築促進が図られるよう努めたい」などと述べた。今年度の事業については、「ツーバイフォー工法の生産施工システムの合理化、木材利用促進に向けた法改正等への対応などを進める」と話した。

 総会後の懇親会で冒頭挨拶した同氏は、「カーボンニュートラルの実現を目指すわが国においては、住宅・建築分野における省エネ化・脱炭素化向けた取り組みのさらなる強化が必要。CO2を吸収して成長し炭素を蓄える働きを持つ木材を構造材とし、建設時や建物利用時のCO2排出量の少ないツーバイフォー建築の供給を通じて、カーボンニュートラルの実現等に貢献していくことを重要な使命とし、引き続き普及・発展に努める」と話した。

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2×4(ツーバイフォー)工法

北米で生まれた木造建築の工法。わが国における正式名称は「枠組壁工法」である。 断面が2インチ×4インチの木材を使用することから、このような名称が付けられた。このツーバイフォー工法の最大の特徴は、木材で組んだ「枠組」に構造用合板を打ち付けることで、構造全体の強度を得ることである。

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