不動産ニュース / 政策・制度

2023/7/11

ESG投資やアセット多様化で投資市場拡大へ

不動産投資市場の拡大に向けて意見交換が行なわれた

 国土交通省は11日、「不動産投資市場政策懇談会」を開いた。今回で15回目、座長は牛島総合法律事務所弁護士の田村 幸太郎氏が務める。

 冒頭、これまでの不動産投資市場関連の政策動向について、国土交通省が説明。2022年6月に閣議決定した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」フォローアップにおいて目標とされている「30年頃までにリート等の総額約40兆円」に向けた政策として、23年3月のヘルスケアリートガイドラインの見直しや、不動産関連のセキュリティトークン規制の動きについて説明した。また、不動産分野におけるESG投資の促進に関しては、「『社会的インパクト不動産』の実践ガイダンス」策定や、「耐震・環境不動産形成促進事業」の見直しなどを紹介。このほか、不動産市場に関する情報提供の充実や、最新のデジタル活用の動きとして、「建築・都市のDX」や「不動産ID」をめぐる最新動向について説明した。

 その後、不動産投資市場の現状や取り巻く課題について各種データ等を用いて説明。その上で、今後の検討テーマについて「都市の競争力向上」や「ESG投資の促進」「築古ビルの戦略的更新」「アセットの多様化」などを取り上げる方針を示した。

 これに対して委員からは、「築古ビルの更新や都市の国際競争力強化のために、不動産投資市場は資金供給源となるので期待したいが、国民に分かりやすい都市像を示せるかが見えづらい」「リート等の総額40兆円に向けては、現在の主にJREITと私募リートで構成する市場だけではなく、現在の制度の在り方等も抜本的に見直してもいいのでは」「ディベロッパーが新しいアセットの開発に取り組みやすくなれば、開発対象地が広がり、いろいろな地域に資金が流入することになる」「既存ビルの運用時の脱炭素政策が遅れているので、実績値に基づいた格付けをつくり、普及させていくことが重要」などといったコメントが挙がった。

 国交省では、各委員からのコメントを材料にテーマ別に勉強会等を行ない、来春をめどに再度懇談会を招集してとりまとめを行なう計画。

記事のキーワード 一覧

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年2月号
時代とともに変わる、シェアハウスの形
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/1/5

「月刊不動産流通2025年2月号」発売中!

月刊不動産流通25年2月号販売中♪
特集は「多様化するシェアハウス」。かつてはコスパを求め住む人が多かったシェアハウスですが、最近は新たな出会いや価値観に触れる場として、あえて選ぶ人が増加。とある物件では多様な世代・世帯が1つの家族として子育てをしているそうで…!