不動産ニュース / 開発・分譲

2023/11/14

川崎で世界最先端の研究開発拠点がまちびらき

まちびらきした「殿町プロジェクト」外観。研究施設「Research Gate Building」4棟とホテルで構成する

 大和ハウス工業(株)と川崎市は14日、研究開発拠点「殿町プロジェクト」(川崎市川崎区)のまちびらきを行なった。

 同プロジェクトは、最先端のライフサイエンス産業・研究機関が集積する国際戦略拠点のまちづくりが行なわれる「キングスカイフロント」の一角。「キングスカイフロント」は、いすゞ自動車川崎工場の跡地で、国家戦略特区・国際戦略総合特区・特定都市再生緊急整備地域に指定されているエリア。2014年に同社が土地を取得し、川崎市と共に羽田空港に近い立地を生かして、オープンイノベーション拠点として開発した。健康・医療・福祉・環境など約70機関が進出している。

 「殿町プロジェクト」は、京浜急行電鉄「小島新田」駅徒歩12分、JR「川崎」駅より車で約22分に立地。敷地面積4万6,172.96平方メートル。研究施設「Research Gate Building」(RGB)4棟とホテルで構成する。RGBは、次世代の医療として大きな成長が期待される再生・細胞医療の研究をはじめ、最先端の医療技術、医療機器の研究開発等を行なうことができるバイオメディカルラボ。企業、研究機関の誘致とともに、にぎわい・交流機能を創出することをテーマに開発した。

 一次開発では、東急ホテルズ&リゾーツ(株)が運営する「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」(鉄筋コンクリート造地上5階建て、客室数186室)と研究施設「RGBⅠ」(鉄骨造4階建て、竣工18年2月)、「RGB 2」(鉄骨造4階建て、ツインタワー、竣工17年6月)を開発。大手製薬会社や大学などが入居する。20年には、(株)島津製作所などが入居する「RGB 3」(鉄骨造4階建て、延床面積約2万2,116平方メートル)が竣工。23年11月7日に「RGB 4」(鉄骨造4階建て、延床面積約1万3,283平方メートル)が竣工し、「殿町プロジェクト」が完成した。4棟の研究施設には、現在14機関が入居。利用状況は、「RGB 1・2」は満床、「RGB 3」は8割程度、「RGB 4」は再生医療等の企業が検討中だという。
 ホテルは、世界初となる使用済みプラスチック由来低炭素水素とバイオエネルギーを活用し、施設内で使用する電力のCO2排出量削減を実現。稼働率は8割だという。

 また、地域に開かれた施設として、敷地の中心に「コミュニティパーク」を設置。南北に位置する2つの公園と「コミュニティパーク」をつなぐ「プロムナード」をつくるなど、回遊性を高めた。研究者や学生、地域住民などの交流ベントを開催するなど、にぎわいと交流を推進していく。

 一方、「キングスカイフロント」の対岸には、羽田空港や大規模複合施設「羽田イノベーションシティ」(11月16日開業予定)、エアポートホテルを核とした複合施設「羽田エアポートガーデン」なども所在。22年3月には、同エリアと羽田空港をつなぐ「多摩川スカイブリッジ」も完成。羽田空港に車で約5分でアクセスが可能となり、人・モノ・ビジネスの交流が活性化し、国際競争力の強化が期待されている。

 セレモニーの挨拶で、大和ハウス工業代表取締役副社長の村田誉之氏は「今後はキングスカイフロントと、羽田イノベーションシティ、羽田エアポートガーデンとのより強い連携を図っていきたい。キングスカイフロントの発展を目指していく中で、殿町プロジェクトは重要な役割を担っている。今後も大和ハウスグループ一丸となって継続的な発展に取り組んでいく」などと述べた。

テープカットの様子。左から神奈川県立保健福祉大学理事長の大谷泰夫氏、キングスカイフロントネットワーク協議会会長の野村龍太氏、神奈川県知事の黒岩祐治氏、大和ハウス工業(株)代表取締役副社長の村田誉之氏、川崎市長の福田紀彦氏、川崎市議会議長の青木功雄氏、慶應義塾大学常任理事の天谷雅行氏
コミュニティパーク

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

竣工

工事が完成すること。「完工」ともいう。建築確認を受けた建物は、建物が竣工したときには完了検査を受けなければならず、建築基準に適合していれば検査済証が交付される。また竣工しても、一定の場合を除いて、検査済証が交付されるまでは建物を使用できない。

続きはR.E.wordsへ

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年12月号
若手がもっと輝く会社づくり!
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/11/5

「月刊不動産流通2024年12月号」発売中!

特集は、「若者の力を生かす人材戦略」。企業の成長には若い人材の獲得と定着が不可欠ですが、インターネットが当たり前の時代に育った今の若者たちには、従来とは異なるアプローチが求められています。若手社員の育成や働きやすい環境の整備に力を入れている不動産事業者の取り組みを知り、新しい価値観を持つ若者たちがどのように活躍できるのか、そのヒントを探りましょう!あなたの企業でも、未来のリーダーを育てるための新しい視点を見つけるチャンスかも…?