不動産ニュース / 調査・統計データ

2023/12/5

出社頻度増加も、郊外・地方への移住意向は維持

 (株)野村総合研究所は4日、「働き方と移住」に関するアンケート調査結果を発表した。2023年7月10~18日にかけ、東京都内に勤務する20~60歳代の男女を対象に、インターネットによるアンケート調査を実施。有効回答数は3,090人。

 7月時点の出社頻度を尋ねたところ、「毎日出社」が53.1%を占め、「週3日以上」の出社が7割以上(75.1%)となった。前回調査時(22年2月)は、「毎日出社」が38.3%、「週3日以上」が59.7%であったことから、出社回帰の傾向が見られるとしている。出社頻度が増加した理由は、「勤務先の方針やルールが変わり、出社を求められるから」(39.0%)が最多。「出社したほうがコミュニケーションを円滑に取れるため、自主的に出社を増やしたから」(28.2%)や、「出社したほうが業務に集中できるため、自主的に出社を増やしたから」(23.7%)と続いた。

 郊外・地方への移住意向では、直近1年間に移住意向がある人が全体の15.3%、5年以内に意向がある人は28.4%と、それぞれ前回調査から微増。アフターコロナで出社回帰の傾向が見られるものの、「郊外・地方移住ニーズ」は高い傾向が続いている。その理由については、「都心よりも住宅費が抑えられる郊外・地方への関心が高まっている」「テレワークの浸透によって、より広い居住面積を有する郊外の住宅ニーズが高まっている」と推察している。

 年代別および現在の居住形態別の郊外・地方移住傾向を見ると、現在は賃貸住宅に居住している若年層(25~34歳)の移住意向が40%超でトップに。「いつかは家を所有したい」という価値観については、「そう思う」と回答した割合が56%で、移住意向がない人の割合(46%)に比べて10%高い結果となった。

 郊外・地方への移住時にハードルとなる点では、「買い物などの利便性が下がる、商業施設が遠くなる」が22.8%で最多。理想の出社頻度については、「現在より出社頻度を減らしたい」と回答した人の割合は、郊外・地方移住意向なしの人よりも、意向ありの人のほうが多い結果となった。一方、転職意向について聞いたところ、郊外・地方移住意向ありの人のうち「今後1年の間に転職を考えている」人は47.6%と、意向なし(23.9%)に比べ23.7ポイント高かった。

 これらの結果から、同社は「郊外・地方への分散を実現できれば、都心一極集中は緩和へ向かう可能性がある」と予測している。

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テレワーク

働き方のひとつで、情報通信機器等を活用して時間や場所の制約を受けずに柔軟に働く方法をいう。事業所に出勤せずに家で作業する在宅勤務、個人が委託・請負によって作業する在宅ワークなどがあるが、情報通信技術を幅広く活用することが特徴である。 テレワークにおいては、住宅が職場ともなり得る。

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