不動産ニュース / 開発・分譲

2024/3/13

レジデンシャルホテル、5年で1,000室体制へ

「&Here TOKYO UENO」外観
メインの客室は40平方メートル前後の広さを確保。ベッドの足元に十分なスペースを用意
インバウンドが好む畳敷きの客室も

 日鉄興和不動産(株)は12日、レジデンシャルホテル事業「&Here(アンドヒア)」の初弾となる「&Here TOKYO UENO」(東京都台東区、全145室)を報道陣に公開した。同社が開発から運営まで手掛ける長期滞在対応型ホテル。向こう5年間で1,000室体制を目指し、事業用地取得を行なっていく。

 同事業は、中核事業のオフィスや住宅事業に続く新たな事業領域として、2020年から事業化を検討していたもの。来日するインバウンドの多くが3名以上のグループかつ滞在日数4日以上である一方、主要都市で3名以上で宿泊できるホテルが4%程度にとどまることから、グループで長期滞在し、自炊もできるレジデンシャルホテルのニーズは国内外ともにあると確信。用地取得(賃貸)から開発、運営までグループ一環で事業化することとし、22年に運営会社も立ち上げた。

 初弾の「&Here TOKYO UENO」は、JR「上野」駅徒歩7分に立地。鉄骨造地上14階建て。旅館跡地を借り上げホテルを建設した。もともとは分譲マンション建設を検討していたが、同事業立ち上げに際し、訪日外国人に人気のある上野ということから、ホテル事業用地に転用した。北側が不忍池に面する。

 客室は2~14階、14タイプ(定員2~6名)。客室ほぼすべてに、ダイニングテーブル、キッチン、冷蔵庫、電子レンジ、食器等を備える。客室面積は約21~73平方メートル。全体の7割でファミリー向けの40平方メートル前後の広さがあり、ベッド以外の場所で寛げる場所としてソファースペースや和室等を設ける。浴室など水回りは分譲マンションと同等の広さ。1階はラウンジとカフェスペースに加え、ワーケーションニーズを踏まえたシェアオフィスも備える。14階には露天風呂付き大浴場も設置した。

 宿泊料金は、40平方メートル前後のファミリータイプで1泊4万~6万円前後、最も広い73平方メートルのスイートで1泊15万円~。昨年夏から予約を受け付けており、予約客の8割がインバウンド。香港と台湾からが6割。以下アメリカ、韓国、中国の順。平均宿泊日数は3~4泊。運営ノウハウを習熟させつつ、向こう1年かけ稼働率80%前後へ持っていく方針。

 コロナ禍中に開発用地の取得を進め、すでに9棟約800室分の用地を取得済み。25年4月に大阪難波で、同年7月に新宿、26年1月に浅草で開業予定。12日会見した同社常務執行役員事業開発本部長の奈良 敦氏は「今後も都市型観光ホテルとして、銀座や博多といった豊富な観光資源が近接する都市で開発を進めていく」と抱負を述べた。

最上階の大浴場は、男女それぞれ広さ100平方メートル
ワーケーション目的の宿泊客に対応するためシェアオフィスも設けた

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