不動産ニュース / 開発・分譲

2024/3/14

築47年賃貸Mを新築同等に再生、ほぼ満室に

「インスタイルレジデンス本駒込」外観
2DK住戸内

 三井不動産(株)は14日、(株)青木茂建築工房との業務提携による「リファイニング建築」で再生した「インスタイルレジデンス本駒込」(東京都文京区、賃貸住戸39戸)の竣工現場を報道陣に公開した。

 リファイニング建築は、既存躯体以外を解体して躯体補修と耐震補強を行なうことで現行法規のレベルまで耐震性能を向上させるとともに、内外観や設備を刷新し、新築同等に再生する手法。建物の長寿命化が図れるほか、同規模の建て替えと比較して施工時のCO2排出量を約72%削減可能。工事費も約30%カットできる。

 「インスタイルレジデンス本駒込」は、JR山手線等「田端」駅徒歩12分、東京メトロ南北線「本駒込」駅徒歩11分に立地。敷地面積約550平方メートル。建物は1976年築、鉄筋コンクリート造一部鉄骨鉄筋コンクリート造地上7階地下1階建て、延床面積約2,370平方メートル。
 オーナーが賃貸マンションとして運営していたが、旧耐震建築物のため耐震性に問題があり、さらに建て替えの場合は日影規制等により建物規模を縮小しなければならなかったことから、事業性確保のために同手法による再生をオーナーが決定した。

 増打壁補強や開口閉塞壁補強など五つの方法で耐震補強を実施。現代のニーズや周辺のマーケットを考慮し、コンパクトな住戸を用意するため、従前は1フロア当たり6戸(賃貸住戸32戸)の構成だったところを1フロア当たり7戸の配置として事業性能の向上と安定稼働の実現を図った。地下1階と地上1階は店舗。すでに申し込みを受けており、医療系やスポーツ系の店舗が入居予定。

 住戸の間取りは1LDK(14戸)・2DK(21戸)・2LDK(4戸)、専有面積は約35~55平方メートル。奇数階の住戸はモノトーン、偶数階はウォームトーンに仕上げたほか、3部屋にルーフバルコニーを用意。エレベーターのボタンは非接触式とした。

 募集賃料は坪当たり約1万2,700円で、近隣の新築相場よりも5%ほど低く設定。昨年12月末から入居申し込みの受付を開始したところ、ターゲット層に設定した20歳代後半から30歳代前半のDINKSから反響があり、現在の申し込み状況はほぼ満室。

 同物件では、3月14日から7月下旬まで、従前と比較した内外装のデザインの違いや設計のポイント、改修内容をパネルで説明するリファイニング建築サロンも展開している。

ルーフバルコニー付きの住戸は3部屋用意
竣工現場。こうした補修箇所(写真)は1,000ヵ所以上という

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マンション

日本におけるマンションは、一般的には、鉄骨コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造で、3階建て以上の分譲共同住宅・賃貸共同住宅を指している。ただし、賃貸共同住宅の場合にはPC造・重量鉄骨造であっても、マンションと呼ばれることがある。

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