東急不動産(株)は9日、17日に開業予定の商業施設「東急プラザ原宿『ハラカド』」(東京都渋谷区)を報道陣に公開した。東急グループが推進する広域渋谷圏(グレーター渋谷)のまちづくりの核となる施設の一つ。単なる商業施設ではなく、クリエイターの育成・支援・共創のためのハードやソフトを施設各所に展開し、多様なクリエイターが交流し新たなカルチャーを発信する「創造施設」としての運営を標榜。他の自社施設や周辺エリアとも連携し、原宿・神宮前エリアの「クリエイティブの聖地化」を目指す。
同施設は、神宮前交差点角地の旧オリンピアアネックスビルの再開発(神宮前六丁目地区第一種市街地再開発)。敷地面積約3,085平方メートル。建物は鉄骨造地上9階地下3階建て、延床面積は約1万9,940平方メートル。共同事業者は東京地下鉄(株)。
同社が原宿・神宮前エリアの既存施設やその周辺エリアで展開してきたクリエイターの発掘・育成の取り組みをさらに強化すべく、さまざまなクリエイターが交流し、新たなビジネス等を共創するためのプラットフォームを、3階フロアで展開。会員制のクリエイティブラウンジなどを通じ、個人・企業のクリエイティブ活動をサポートする。
7階のテラスは、神宮前交差点を舞台とした体験型メディアの場として運用。2階には神宮前交差点に面した大窓を活用したイベントスペース「COVER」を設け、雑誌の誌面と連動したコラボイベントを展開する。地下1階には、高円寺の老舗銭湯「小杉湯」が「小杉湯原宿」を営業。パートナー企業とともに新たな体験を提供する「チカイチ」を展開する。
また、商業施設運営の新たなモデルとして、従来は個々のテナントが独自に展開していたイベントやプロモーションをテナント同士が協業・連携して企画。SNS等を通じて発信することで施設全体をプロモーションしていく「創造施設モデル」を構築する。
物販・サービス店舗は33店舗。ECや地方で展開していたブランドがリアル初出店、原宿初出店するなど新たなチャレンジを行なう。飲食店舗は、5・6階中心に7階の屋上テラスまで3フロア一体で23店舗を展開する。
初年度来場者目標は1,000万人と設定。売り上げ目標は設定しないが、テナントから上がる賃料収入とともに、施設各所で展開する企業のメディアプロモーションに係る広告収入を収益の柱としていく。同日会見した同社都市事業ユニット渋谷事業本部執行役員本部長の黒川泰宏氏は「斜め前の東急プラザ表参道『オモカド』とも連携し、従来の商業施設とは違う、唯一無二の商業施設の在り方を模索していく」などと抱負を語った。