三井不動産レジデンシャル(株)は、「VR(Virtual Reality)」「MR(Mixed Reality)」を活用したモデルルーム案内を、複数物件を取り扱う常設販売拠点へ拡大していく。バーチャルとリアルとを融合したマンション販売における顧客体験価値の強化と、複数物件・全間取りがひとつのモデルルームで案内可能なバーチャルモデルルームによる販売拠点の集約化戦略の一環。その初弾として、今年5月から「VR」「MR」モデルルーム案内を開始した「三井の住まい 池袋サロン」(東京都豊島区)が21日、報道陣に公開された。
同サロンは、2023年6月にオープン。リビングやキッチン、書斎などは実物展示する一方、特定のモデルルームは設置せず、幅7m×5m(35平方メートル)の3面LEDビジョンを壁と床に設置。実物大のVRモデルルームやすべての販売住戸の間取りを投影し、ユーザーに実際の広さを確認しながら、住戸を検討できるようにしていた。約1年間で3物件を販売、約300組の検討に活用された。1回のプレゼンテーションにかかる時間は10~15分。
5月からは、このVRモデルルームに、新たにMRを用いて3D化した実物大の家具を投影できる機能を付加。顧客は、MRヘッドセットを通してモデルルームを見ることで、より具体的なイメージを確認できるようになった。また、住戸の間取りの上にプロットした家具を自由に動かす機能も実装している。
現在同所で販売中の「パークホームズ上板橋」(東京都板橋区、総戸数138戸)では、3戸のバーチャルモデルルームを用意している。今後販売する物件では、全ての住戸の間取りへの対応を検討していくほか、共用部や眺望についてのVR化も見据えてサービスを拡充していく。
VRモデルルームとオンライン商談を活用することで、販売拠点の小型化、商談時間の短縮、契約手続きの効率化などを図り、顧客満足の向上と営業コストダウン、営業効率向上を目指す。今後は、新宿や日本橋といった他の「三井のすまいサロン」においても、VRモデルルームの導入を検討し、マンション販売拠点の集約化を図っていく。