(株)アールシーコアは26日、経営ビジョン発表会を開き、株主総会での承認を経て21日に就任した代表取締役社長の壽松木 康晴(すずき やすはる)氏と、前社長の代表取締役会長の二木浩三氏が会見した。
冒頭、二木氏が挨拶。今回、創業以来となった社長交代について「経営管理体制を強化することで、業績回復を目指す。新たな経営陣は人柄・能力共に信用できるメンバーがそろった。今後は会長として、戦略的な面のアドバイスなどサポートに徹したい」などと話した。
また、ログハウスなど個性的な木造戸建ての新築を中心としたBESS事業について「これまで、当社の価値観にシンクロする人だけを相手にした、いわば『内向き』のビジネスを展開してきた。そのおかげで当社としての独自性を育てることができたと言ってもよい。これからは、BESSを面白がってくれる人たちと連携していくことが重要になる」などと語った。
それを受けた壽松木氏は、「当社は『万年創業』をうたっている会社。創業者精神そのものを引き継いでいきたい。広告の段階からユーザーをBESSのファンとすることを図り、成約をいただいたのちにBESSでの『やりたかった暮らし』を実現してもらい、それをさまざまなかたちで拡散することで新たなBESSファンを呼び込む、というサイクルを生み出していきたい」などと挨拶した。
コロナ禍以降、厳しい状況が続く戸建て事業の再建については、早期の年間800棟体制を目指す。紙媒体に依存気味だった広告をWeb広告に切り替えるなどした結果、集客が回復。それに商品改定、モデル棟増設などが相まって「受注力はコロナ前に戻ったが、営業担当者がピークの半分であり、直営拠点での採用・育成を急ぎ、そののちに地方販売会社の支援に動きたい」(壽松木氏)と話した。
また、新築以外の事業の強化にも注力していく方針で、第2の柱として期待するのは、特建事業で受注している非住宅建築物。「リゾート施設のオーダーが非常に多い。また、富山県で受注・建設した保育園の建物は地域のコミュニティ施設が併設され、近隣では保育園留学用の施設も建設した。こうした事例を積み重ねることで、パッケージ化して提供することも可能になるのでは」(同氏)。このほか、不動産開発や流通、移住など不動産関連や官民連携の事業展開も強化していく。
同社では、こうした事業領域の拡大を通じて、BESSのブランド価値を最大限活用していく。「BESSの特徴は人の感性に刺激を与える点。厳しい社会情勢の中で、乾いた心に潤いを与えるという意味で『オアシス』のような存在にしていきたい。新築戸建てを中心に、さまざまな事業を展開していくことで、世の中にオアシスを提供していきたい」(同氏)という。