不動産ニュース / その他

2024/7/2

建物解体後の構造部材等をリユースする実証実験

実証実験のイメージ

 (株)大林組は、建物解体後の鉄骨やコンクリート製の構造部材を新築建物にリユースする実証実験を開始した。国内の初の取り組みとなる。

 建物の構造体をリユースする取り組みは、コンバージョンやリノベーション、耐震改修等があり、また、CO2排出量の削減効果も検証されてきた。しかし、これらの手法は柱や梁の位置や形状を大きく変えないことが前提で、設計上に制約がある。そうした課題を解決する目的で実証実験を行なった。

 今回の実証実験は、同社の技術研究所内の実験棟「オープンラボ3」新築工事で実施。リユース材活用は、解体する実験棟の柱・梁・ブレースなど全種別の鉄骨部材を撤去し、鉄骨製作会社が新築建物に合わせた切断などの加工を行なった上で、再び構造体に使用。また、基礎・基礎梁・小梁・床など全種別のコンクリート製構造部材についても、新築建物の平面形状に合わせて切断後、新築現場の加工ヤードで接合部を加工し、現場で新材と接合するなどにより新実験棟の構造体としてリユースする。なお、本計画では建築確認申請と構造適合性判定の審査を受け、建築基準法に適合することを確認している。

 同工事では、新築建構造部材のうち鉄骨57%、コンクリート33%で解体建物のリユース材を使用。構造部材製造に伴うCO2排出量は69.3t-CO2で新たに資材を調達する場合に比べ、約49%(65.8t-CO2)の削減を見込んでいる。

 工事の用途は研究所で、I期に鉄骨作業所(鉄骨造地上1階建て)、II期に研究エリア・木工作用所(鉄骨造地上3階建て)を新築する。総建築面積は約1,213平方メートル。総延床面積は約2,143平方メートル。竣工は2026年9月の予定。

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