大和ハウス工業(株)は18日、2024年度の戸建住宅事業に関する計画説明会を実施。同社取締役常務執行役住宅事業本部長の永瀬俊哉氏が、今後の方向性について説明した。
同社戸建住宅事業の前期(23年度=24年3月期)の売上高は9,510億円(前期比8.5%増)、営業利益351億円(同24.5%減)だった。米国をはじめとした海外事業が順調に増加しており売上高の過半、営業利益の9割近くを海外が占めている。24年度は売上高1兆1,120億円、営業利益580億円を見込んでおり、さらに現行の中期経営計画最終年度に当たる26年度は売上高1兆2,500億円、営業利益1,000億円を目指す。
国内の成長エンジンは分譲事業。23年度の戸建住宅の販売棟数は請負が3,424棟でシェア66%・分譲が1,760棟でシェア34%だったものを、25年度には請負3,000棟・分譲4,000棟、27年度には請負3,000棟・分譲7,000棟にしていく。「請負は高額帯を主戦場として棟数を維持しつつ、分譲は幅広い価格帯で勝負できるようにして販売棟数を拡大していく」(永瀬氏)。
分譲事業では、木造在来工法商品の「Comfort Wood」や軽量鉄骨の「Zevo Σ Sc」といったリーズナブルな価格帯の商品を提案。特にカーボンニュートラルの取り組みの一環として、Comfort Woodの建設を推進。ZEH・耐震等級3・構造および防水の初期保証30年と注文住宅並みのスペックとし、競合他社との差別化を図る。
また、分譲設計に特化した設計部隊「まちなみ設計」を全国の各事業所に配置することで、全国的に分譲設計の効率化を図っていく。また、施工をグループ会社の大和ランテック(株)が担当することにより、品質向上も目指す。用地仕入れについては、従来大型分譲を志向していたが、今後は2~5区画程度の小型の用地も積極的に仕入れていくとする。「大和ハウスグループの情報網や、集合住宅事業や商業建築等で取引のある土地オーナーや企業の保有する土地の動向にもしっかりと目を配っていく」(永瀬氏)という。
注文住宅については、一次取得者層向けのセミオーダー・企画型商品を拡販していく。直近の受注比率ではセミオーダー型が40%程度だが、「毎月この比率が上がっている。今年度末には月次で70%程度まで持っていけるのでは」(永瀬氏)。