(公財)日本賃貸住宅管理協会レディース委員会は23日、ステーションコンファレンス東京(東京都千代田区)において「パワーアップセミナー 情報交換会 in TOKYO」を開催。100名超が参加した。
冒頭、同協会会長の塩見紀昭氏が「賃貸管理業の仕事は、女性の活躍なくしては成り立たない。ぜひ皆さんの力で輝ける業界にしていただきたい」と挨拶。引き続き、レディース委員会の濱村美和氏は「働く女性に出会いや勉強の場を提供したいという思いから設立したレディース委員会は、今年で28年目を迎える。本日のセミナーではたくさんの方と交流し、多くのことを学び、日々の業務に生かしていただければ」と、今後のさらなる活躍への期待を込めてメッセージを送った。
情報提供として、ソナーレホールディングス(株)代表取締役の丸山朋子氏が「協力して支え合える職場環境作りに必要なこと」をテーマに講演した。男女、世代、人種、経験値も異なる人と同じ環境で関わる(仕事をする)中で、良好かつ対等なコミュニケーションを取るための方法について、「そもそも『うまくできるのが当たり前』ではなく、『うまくいかなくて当たり前』であることを受け入れることが必要」と言及。また、パワハラやセクハラは人権侵害であるとし、「人を大切にすることは、自分と相手の人権を尊重すること。まずは、相手の人権侵害をしないよう心得るとともに、自分の人権は自分で守ることが大切」とアドバイスした。
引き続き、現場実務の成功・失敗事例を3名の実務者がリレー形式で発表。(株)小菅不動産賃貸営業課の佐々木 里奈氏は、「申し込みを取りたいという気持ちが先行し、お客さまの気持ちを置き去りにしてしまった」という経験談を披露。そのことから、「その日にできるすべてをやり尽くす接客」を心掛け、「今解決できるところまで問題を解決し、その上でお客さまに寄り添った提案を行なうことが大切」とし、「お客さまアンケートを軸に自分の足りなかった部分を探り、次のお客さまに対するより良い接客につなげたい」と話した。
(株)タカハシ アパマンショップ東尾道駅前店店長の新宅菜美氏は、業務効率化と部下の成長を実現した“成果を上げる”マネジメント法を紹介。TODOリストの導入・活用により、「視覚的に業務が整理される」「優先順位が明確になる」といったメリットがあり、「部下が自分で業務の優先順位を考えるようになり、一つひとつの業務への理解が深まる。また、自主性と責任感を育てることにもつながる」と話した。さらに効率化を狙う場合は、「週や月単位での進捗確認やロールモデルの模索も有効」とした。
(株)駿河統括部長の尾村則子氏は、家庭と仕事を両立しながら働く中での過去の苦労、それをどのようにして乗り越えたかについて、自身の経験談を披露した。「まず、仕事を続けるための“苦労”と言わないこと。家族や会社に協力者がいて、妊娠・出産後も仕事に復帰できた。その恵まれた環境に感謝すること」と言及。その上で得られた教訓を「仕事には人生を左右するだけの“力”があり、一番重要なことは熱意」と紹介。また、「給料をいただく以上、優先すべきは仕事。業務は無計画に進めると終わりがないため、タイムスケジュールを綿密に組むことが有効」とアドバイスした。