三菱地所(株)は6日、丸の内エリアの飲食店を対象とした共同調達プラットフォーム「MEC PANTRY」の試験運用を開始すると発表した。飲食店の運営において食材やエネルギーなどのコストが増大していることを受けた取り組み。
同プラットフォームは、同社の「新事業提案制度」で生まれたもの。商業部門において飲食店のコスト増大と厳しい事業環境を目にした社員が、エリア内に存在する飲食店と共に共同での仕入れ・配送の仕組みを構築することで効率的かつ安定した食材の供給体制の実現を目指して企画・立案した。エリアに出店している400超の飲食テナントが個別購入している食材や消費材を一括発注できるようにすることで、コストダウンを図る。三菱HCキャピタル(株)は、ファイナンス面での支援に加え、三菱地所と共同で将来的な丸の内エリアにおける物流管理プラットフォームと、その構築におけるデータ利活用などについて検討を進めていく。
初弾プロジェクトとして、数多くの飲食店が取り扱うであろう「米」に着目。三菱HCキャピタルとの協働でコメの共同調達「丸の内精米店」のサービス提供を開始した。大手ディベロッパーが飲食店を対象とした精米事業を展開するのは初めてだという。
全国の農家から直接コメを仕入れ、オンデマンドで精米、配送業者と連携して各店舗に配送する仕組み。仕入れるコメは千葉県匝瑳市の特別栽培米「匝瑳の舞」など。精米に必要な機器は2社が共同購入したものを使用する。精米したての白米を提供することで顧客満足度・食材価値の最大化、経営効率化への貢献を図っていく。